前頭葉は脳の社長さん?―意思決定とホムンクルス問題(本文最終ページに全てが収斂する。)
連日のスクーリングにより飽和したので,試験が終わった後,気分転換に読んでみました。
前頭葉は脳の社長さん?―意思決定とホムンクルス問題 (ブルーバックス)
- 作者: 坂井克之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/21
- メディア: 新書
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そんなループから抜け出るような一応の解答を示してくれる本です。
脳の働きすべては,ひとつひとつの脳領域で段階的に処理されてゆくようなものではなく,脳領域間の連続的な相互作用の結果として自然に生まれてくるようなものだと考えたほうが自然です。前頭前野はその相互作用のパターンを,行動の目的に沿った最適な形に設定するための回路に過ぎないのです。その中には賢い小人=ホムンクルスは住んでいません。(太字はlionusによる)
大量の情報が刻々と変化しつつ,休みなく入ってくる。このような状況の中である瞬間にたったひとつの「解」を導き出す,すなわちひとつの意思,ひとつの行動,そしてひとつの意識を成立させているのが私たちの脳です。前頭前野はいわば「脳の解」を導き出すための方程式のようなものなのかもしれません。