lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

心理的反応のバリエーションの一種。

地震で中国人の人生観変わった…中国紙世論調査

 【北京=川越一】四川大地震が中国人の人生観を変えた−。中国紙「中国青年報」は30日、4309人を対象に、大手ポータルサイト「捜狐」と合同で行った世論調査で、88%の回答者が「地震で生活が変わった」と答えたと報じた。
 「以前は無駄に着飾ろうとしていた。400元(約6000円)のサンダルが気に入っていたけど、今では買いたいものは1つもない。人生で最も大切なのは平和と健康」。サンダルに費やすはずの金銭を義援金に回したという大学院生の言葉が、多くの回答者の気持ちを代弁している。
 同紙によると、82・1%が「地震後、命が惜しくなった。一生懸命勉強や仕事をする」と回答。拝金主義が広がり、贅沢(ぜいたく)品に金銭を投じていた人たちが、節約して人助けのために使いたいと考えるようになった。
 一方で、正反対の反応を見せた回答者も。3000元(約4万5000円)あれば2000元を貯蓄していたという28歳の女性は「命はもろい。今後は食べたいものを食べ、飲みたいものを飲む。金をためようなんてしない。金のために好きなものを我慢したりはしない。減量もしない!」と友人に宣言したという。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/149194/

地震からまだ半月程度しか経っていない時点での結果なので,今後「人生観の変化」がどのような長期的経過をみせるかが問題でしょうね。
対象は千単位と大規模な調査ですが,ポータルサイトと合同で行った調査ということは,PCを使える環境にある対象者に偏っていることが考えられ,したがって,今回の地震で直接的に被害を受けた層とはかなり違うところを調べていると推察されます。
地震を体験することは人生に数回有るか無いかの大イベントであり,いわゆる「人生観」に変化が起こらないことはないかもしれません。しかし,直接被害を受けておらず,主にマスメディアの報道から地震災害を間接的に「体験」している場合,センセーショナルな出来事に心の均衡を奪われた(びっくりした)反動としてのテンポラリな反応である可能性大ではないかなと思ったりします。一方,直接被害を受けている被災者は,不意打ちの災害に驚愕しつつも目前の問題に対処し続ける過程において,深く長く「人生観」の変化が進行するのではないだろうかと推察します。