墜落〈第4巻〉火災と爆破(もうどうにも止まらない。)
『墜落』シリーズが面白すぎて読み始めたら止まりません。
- 作者: 加藤寛一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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計4話の事例が収録されていますが,暴力団員(日本人)が機内に手投げ弾を隠して持ち込み,それが後部化粧室で爆発した事例は印象深かったです。爆発発生時には,あいにく機長は用を足しに席を離れていたのですが,その後操縦に戻った際に,爆発で機内の気圧が低下したのにもかかわらず,酸素マスクをつけなかったので,機長は酸欠で昏倒したらしいのです。副操縦士の奮闘で何とか大阪国際空港に辿り着くまでの顛末は,”事実は小説より奇なり”を地で行く感があります。
機長は大阪国際空港に着陸するまでの過程で正気に戻り,操縦に復帰できたようでしたが,一時意識を失い,操縦不能に陥った事実は,後の公の事情聴取では隠された(話されなかった)そうで,当事者から「事実(真実)」を聴取することの難しさを感じました。*1