lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

前乗りなのか後乗りなのか。

今日は仕事が午前中で終わったので,松柏美術館の特別展「生誕130年記念 上村松園展」に行ってきました。昨年10月に家族旅行で足立美術館*1に行ってから,日本画はいいなと思うようになりました。先日街中の「上村松園展」ポスターに偶然目がとまり,「何か聞いたことのある名前だな〜」と思いつつ妙に行きたくなったので足を伸ばしてきました。
場所・行き方を調べようとアクセスしたホームページで「画伯の紹介」を見てはじめて上村松園が女性であったことを知りました。明治に生まれ育った女性がプロの日本画家として独り立ちしてやっていくのは現代の私たちの想像を絶する苦労というか覚悟が必要だったことでしょう。実際,結婚せず(養子=同じく日本画家になった上村松篁はいたようです),画の道一筋の生涯だったようです。
まあ画を観る側からすれば,描いたのが男だろうが女だろうが「よいもの」であればいいのですが。
美術館は月曜の午後ということでさほどの混雑ではなく,ゆっくりと画を観ることができました。展示点数は30余りとさほど多くはありませんでしたが,どれも素晴らしいものでした。「四季美人図」という画の前に立ち,春=若い娘,夏=若い女性(若妻?),秋=やや大人な女性(子どもを1人2人は産んだ後のような),冬=中年〜初老の女性,と四季になぞらえた4人の女性の姿を眺めていると,ふと春=若い娘,の「うふふふ」という華やいだ笑い声が聞こえてきたような気がして背筋がぞくりとしました。その他にも,やはり美術の教科書か何かで見たようなことのある「名画」が2,3ありましたが,どれも今にも動き出しそうというか何かを語りかけてくるような気配を濃厚に漂わせていて,ただものではない雰囲気でした。
こう書くと何か怖い画のようですが,そういうことは全くなく,全て美しく気品ある「美人画」です。ただ観るだけでも目の保養になりました。
非常な感銘を受けたので,今回の特別展の図録を買おうかと見本をめくって見ましたが,先ほど観てしまった本物の迫力を思うと,申し訳ないのですが極端に見劣りしてしまって,印象のみを大切に記憶に残して帰りました。
ところで,松柏美術館に行くには近鉄学園前駅から奈良交通バスに乗るのですが,奈良交通バスが謎でした。関西ではバスは「後乗り」という気持ちがあったので,行きは後ろ(真ん中)から乗り,前出口から200円払って下車しました。しかし,帰りのバス停で学園前駅行きに乗ろうと思ったら,前出口が開き,他の人は料金前払いで乗車したので面食らいました。「前乗り後乗りどっちやねん?」と。
奈良交通サイト内「バスの乗降方法について」のページを見たら,前乗り後乗りの別はケースバイケースのようです。複雑です。

*1:美術の教科書で見たことのあるような名画がいっぱい。ど田舎(←失礼)に唐突に建っているすごい美術館です。