lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

総務省「通信利用動向調査(世帯編)」データその1。

日付は21日ですが,実際にこれを書いているのは22日です。
22日に長文をアップして(それまでの経緯を含め)朝から疲れてしまったので,気分転換に,期日に間に合わずあきらめた某原稿関係で分析したデータを載せてみることにします。
総務省「通信利用動向調査(世帯編)」掲載の統計表ExcelファイルをDLして,H22〜H25の東日本大震災前後のデータをみてみました。
ちなみにこの「通信利用動向調査(世帯編)」は,H22から「世帯編」と「世帯構成員編」の2つに分かれるようになっており,今回は「世帯構成員編」のデータを分析しました。
まず,ソーシャルメディアの利用について都道府県別,年度別による差があるかどうか散布図にしてみました。

H25から調査項目が一部変わっているので,調査項目が共通のH22〜H24のデータをまとめてみました。
H22からH24と全国的にマイクロブログ(Twitter)およびSNSの利用率が全国的に増加している傾向が認められます。
散布図の中で都道府県名を表示しているのは,利用率が高いところをピックアップして付けています。
東京や神奈川など”都会”が利用率高いのは納得ですが,よく見るとH22は利用率高い東京都,神奈川と他の都道府県は割とダンゴになっているのに対し,H23では東京,神奈川,千葉が他の都道府県を引き離して利用率がH22より大幅にアップしています。H24でも東京都,神奈川は他の都道府県よりも格段に利用率高いです。H22とH23の調査の間には東日本大震災があり,首都圏では地震当日の帰宅困難事象,福島第一原発事故による放射能汚染問題などを機に,Twitterソーシャルメディアオルタナティブな情報源として活用する動きが活発になったことがこの散布図に現れているような気がします。
一方,東日本大震災の(中核的な)被災地である岩手,宮城,福島,茨城については,東京や神奈川のように他の都道府県に比較して利用率が高い,もしくはH23以降大幅にアップという傾向はどちらも認められません。
震災後,Twitterソーシャルメディアの災害時利用に注目が集まったけれども,これは首都圏の”意識高い”層のことなのかもしれないな〜とこれを見ると思います。
その後のH25は,「SNSへの参加」「マイクロブログの閲覧・投稿」が独立項目でなくなり,「ソーシャルメディアの利用」にまとめられたようです*1。一方,LINEのことを指すと思われる「無料通話アプリやボイスチャットの利用」が新設されます。この2つで散布図にしてみました。

ちょっと見にくいですが,震災被災地である岩手,宮城,福島,茨城を●で区別しています。
H25でも,被災地が利用率高いわけでなく,中くらい〜低い方に分布しています。
ソーシャルメディア利用関連でも,項目の立て方が変わると,結果も随分変わってくるようです。1年分しかないのでまだ何ともいえませんが,東京,神奈川のダントツ高状態がなく,大阪や山梨,福岡,沖縄などが東京や神奈川とほぼ同じか上にきているのが興味深いです。大阪人,山梨人はLINE好きなのか・・・?

*1:従来「SNS(mixiFacebookを想定?)」「マイクロブログ(Twitterを想定?)」と細分化していたのを「ソーシャルメディア」と大まかなくくりにした模様。