lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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近江商人学入門―CSRの源流「三方よし」―

近江商人学入門―CSRの源流「三方よし」 (淡海文庫 (31))

近江商人学入門―CSRの源流「三方よし」 (淡海文庫 (31))

上記事の『近江商人』とかなり内容はかぶっていますが,こちらの方が「CSRの源流」についての記述に重きが置かれています。

p.88 CSRという場合,企業の社会的責任の意味は,これまでのような企業による経済的価値の提供やコストとしての社会貢献,不祥事防止の法令順守といった,どちらかというと消極的な面のことだけを指しているのではない。それは,社会の変化に積極的に対応していくだけの企業戦略としてとらえる新しい視点に立っているのである。

p.89 今日の社会の変化を市場影響力という点で見ると,企業活動の一層のグローバル化,情報化の進展による人々の価値観の多様化にともなって,生産者側よりも消費者側の方が大きくなるという変化として表れている。要するに,これからの消費者,需要者は企業へ単に経済的価値の実現だけでなく,社会的価値を増大することを求めてくるので,それを無視した企業経営は成り立たなくなるという認識である。だから,企業は,その持続的発展のためにCSRということを,コストとしてではなく,むしろ投資として事業の中核におかねばならないということになる。そのことによって,企業は将来の危機を低減することもできるし,他に先駆けて新しい市場を創出することもできるという考え方である。
(太字はlionusによる)

p.89 近江商人の売り手よし,買い手よし,世間よし,という「三方よし」の経営理念は,このCSRに見事に合致している。