【新版】災害情報とメディア(情報の整理具合がすごい。)
- 作者: 平塚千尋
- 出版社/メーカー: リベルタ出版
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 単行本
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- 作者: 平塚千尋
- 出版社/メーカー: リベルタ出版
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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著者はNHKで報道に携わっておられた経験を生かして,主に戦後発生した大災害とメディアについて,古典的なパニック,流言飛語事例からソーシャルメディア活躍まで,網羅的に記述・考察されています。
それぞれの災害事例について,コンパクトにかつ事例の全体が把握できるような記述の効率よさは,さすがニュース番組制作のプロと思いながら読みました。
p.14 「災害は常に新しい顔をして現われる」という。災害の発現・推移の形態,被災地の地形や社会・風土・産業,さらにはメディアの情況や時期・時代を反映して,常に個別・独特の相貌を見せるからである。
p.37 災害報道は理科と社会科の間,あるいは自然科学と社会科学にまたがるものとよくいわれる。自然科学,災害科学の側面とコミュニケーション,マスコミ報道,社会心理といった社会現象,社会科学の側面を持つ。したがって災害報道は地震や火山・気象といった自然科学の新しい知見,観測体制の整備と技術革新,予知体制や発表体制,それを伝えるメディア環境の変化,そればかりではない,情報を受け入れる人々の知識や理解度といった受容能力,創造力,社会の変化,社会体制や社会の雰囲気とも大きくかかわっている。災害報道はまさに社会,時代の変化に対応して変わってきているのである。