かぜの科学(風邪をひきながら風邪の本を読むw)
- 作者: ジェニファーアッカーマン,鍛原 多惠子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/02
- メディア: 単行本
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逆に、あ〜ちょっとばかしマスクをしたからって、風邪予防にはとうていならないわ〜と思ってしまいました。
ただ、風邪をもらわないようにする方法(例:手指についたウイルスが鼻などの粘膜から侵入しないよう、顔を手でさわらないようにする)は紹介されていますので、これは風邪以外のウイルス全般*1から身を守る方法の基本として読むのもよいと思いました。
本書からの収穫は、免疫力を強化すれば風邪にかからない?という考えの否定でした。
(一度も風邪にかかったことがない、と主張する人たちを15年間追跡調査をしたところ・・・)
p.124 すると風邪をひいたことがないこれらの被験者は、風邪をひく人と同様に抗体をもっていることが明らかになった。換言すれば、風邪にかかったことがないという被験者たちは、過去に感染して抗体をつくったが、誰一人症状に苦しむことはなかったというわけになる。「彼らはちゃんと感染していました」とグワルトニーは述べる。「ただ感染が『不顕性』―症状が出ない―なのです」
pp.124-125 これによって風邪ウイルスが実際より感染力が低いように見える理由の一端がわかる。これらの病原体はかなり容易に広がるものの、感染がかならず風邪に結びつくわけではない。そしてある一つのパラドックスがある。「こうした症状の出ない人は風邪の症状を出す炎症メディエーターを正常な量だけ産生できないだけなのかもしれないのです」とグワルトニーは言う。「もしそうだとしたら、ほんとうに皮肉なことですね。活発な免疫系をもつ人が弱い免疫系をもつ人より風邪の症状に苦しむのですから」。これは免疫力が弱いと風邪にかかりやすいという俗信と真っ向から対立する。
(太字はlionusによる)
頭痛、鼻づまり等、風邪の不快な症状は炎症反応=つまり免疫システムが頑張っている現われなのだそうです*2。
どーりで近年風邪の症状の出方が変わってきたわけだわ〜加齢に伴う免疫系の変化(老化?)なんでしょーね。