企業医務部の挑戦
- 作者: 森晃爾
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本
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産業医という,一般には分かりづらい職業について,実際に企業組織内でどのようにお仕事されているのか,そして,産業医の役割について論じられています。20年近く前の出版ですが,自分にとっては全く古さを感じさせませんでした。
経営者との「共通の言語」の創造
p.166
経営者,労働組合や社員それぞれと産業医との間で,「共通の言語」を使って話せば,産業保健活動の目的は明確になる。経営者と話す場合は「企業活動にどのように貢献するか」であり,社員と話す時は「人生の充実や幸福にどのように役立つか」ということであろう。
両者との「共通の言語」を創造すること,それがこれからの産業医の中立性である。そのために産業医は,産業保健活動の価値と評価を経営者にも理解してもらえる言語で考えなければならないだろう。これが第2章で考えた産業保健の戦略的意味である。もう一方で,社員との「共通の言語」を見いだすことも必要だ。これが第3章で考えた社員のQOLの向上である。