lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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戦国史を歩んだ道

時々思い出したように読み続けている,ミネルヴァ書房の「自伝」シリーズです。
著者の小和田哲男先生は,NHKをはじめとした歴史番組によく出ておられるので,歴史学とは縁のないlionusでもお顔はよく存じ上げており,生き生きとした実感をもって読めるような気がしました。
小学生の頃からガチの歴史好きで,それを貫き通して好きなこと=歴史研究をお仕事にしてこられた(色々と俗世の大変なことはあったにせよ)幸運な例のひとつかと拝見しました。
このミネルヴァのシリーズは,研究者として功成り名を挙げた方の「自伝」ですから,本の終わりはやれやれここまでよくやったもんだ,皆様どうもありがとう・・・みたいなノリで終わる印象が強かったですが,本書の場合,最終章「第7章 戦国史研究の要諦と私の研究法」が,川中島の古戦場を訪れた記述で終わり,何だかブツッと中途で切れた感じがしておやと思いました。
しかし,続く「あとがき」で

p.182
いまさら言うまでもないが,研究に終わりはない。この「自伝」はあくまで私の途中経過であり,研究はもちろん,歴史好きを増やすための仕事はまだまだ続けるつもりでいる。

とあり,納得しました。