lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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裁判員(あなた)が有罪、無罪を決める―実践ガイド模擬裁判員裁判(有罪・無罪を分ける判断基準は難しい。)

裁判員(あなた)が有罪、無罪を決める―実践ガイド模擬裁判員裁判

裁判員(あなた)が有罪、無罪を決める―実践ガイド模擬裁判員裁判

先日読んだ本の派生で、手にとってみました。
九州大学法学部刑事訴訟法のゼミ生たちが、実際に模擬裁判員裁判を実施した記録です。
裁判官3名、裁判員9名からなる裁判体Aと、裁判官3名、裁判員4名からなる裁判体B、それぞれの評議ログが読めたのが臨場感あって面白かったです。
ただ、中身の順番で、模擬裁判員裁判の「判決」が裁判体ABの評議ログよりも前に出ているのは、ちょっと違和感はありました。準備→実践→記録と振り返りという構成をしたかった関係でそうなってしまったのは、まあ分からないところもないかなと思いました。
ゼミの指導教員の先生による「模擬裁判員裁判の意義」中でふれられているように、有罪・無罪を分ける判断基準については、「法廷で2回、準備手続(打ち合わせ)で1回、計3回ご説明」されたとしても、一般人には”使いこなす”のは難しいだろうな〜と思いました。

p.158
B 迷ったら無罪というのはどうも(笑)。初めてなのでわからないのです。少しでも程度に疑問が生じても、それは迷いのうちに入れていいのかどうか。主張していることと、程度の問題であれ違うのであればそれも迷いのうちで、入れてよければ、そこは納得できないなというのが僕の感じです。

この裁判員Bさんと同じ感想を、lionusも持ちました。
推定無罪というのは帰無仮説と同じようなものかな?
そして合理的な疑いを越える程度というのは、有意水準のようなものかな?
ただし、有意水準は1%とか5%とか、一応”客観的”に見切れるけれども、合理的な疑いを越える程度の「程度」は、個人差だけでなく事例ごとに様々な要因が影響して上下するだろうしな〜