lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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回復力~失敗からの復活(弱さを柔軟さに変えてしなやかに回復する。)

回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

工学者の立場からは「コンプライアンス」を「(外部からの指示,例えば法令など)遵守する」と訳すことに違和感があるという記述があるということで,読んでみました。

p.154
じつは「コンプライアンス」という言葉は,工学の世界でも使われています。この場合の意味は,相手のものの形に従ってそのものが変形するときの「柔らかさ」や「柔軟性」などを示しています。

p.154-155
たとえば,「コンプライアンスが大きい」というと,小さな力で大きく変形する状態を表します。これを人間関係に当てはめてみると,社会や相手の変化に順応するように自分が柔軟に変化している姿が想像されます。社会が何を求めているかをきちんと見極め,それに順応しながら柔軟に動いていくこと,これがまさしく「コンプライアンス」の本当の意味であり目的であると私は理解しています。

この他,本書のテーマである「失敗からの回復」について「失敗学」の権威として様々なヒントが示されていますが,主にそれは個人を対象にした書き方のように読みました。
例えば,失敗から立ち直るためには,失敗に打ちのめされている自分を回復させることがまず肝要だとして,時には「逃げる」「他人のせいにする」「おいしいものを食べる」「お酒を飲む」「眠る」「気晴らしをする」「愚痴を言う」こともすすめられています。
読んでいるとその道の「専門家」には突っ込みどころのある内容かもな〜と思いつつも,いかにも工学者らしいとも思いました。
それは,とにもかくにも,合理的で,世の中に役立つことを目指す,という姿勢です。