lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

気が遠くなるような計算。

お台場ガンダムを見物した後,6月1日の日記で言及していた,東京理科大学近代科学資料館の特別展示「統計計算の50年」を見学しました。
入館は無料ですが,人気のないエントランスの扉をそうっと開けると,受付に記帳用のノートがあります。
とりあえず記帳して,常設展示(多分)のパスカル計算器を眺めていると,館員(多分)のミドル男性に声をかけられました。
非常に親切にあれこれ説明をしてくださいました。lionusはその説明を受け止めきれるだけの「リテラシー」に足らず少々残念でしたが,タイガー計算器の実演などもしてくださり,その筋の「リテラシー」の有る方なら,きっと話が盛り上がりまくりなのではないかと感じました。思うに,その筋の「リテラシー」がある方の場合,「予約(来館予告)」をされた上で訪問されるのがよいかもしれませんね。
lionusお目当ての「統計計算の50年」の展示は非常にこぢんまりとしたものでしたが,池田央先生の私物=貴重なコレクション中心の展示で,心理屋にとっては大変興味深く,かつ,感慨深さもありました。
池田央先生といえば,テスト理論の大家ですよね。
学力テストのデータを手計算で処理していた頃の資料を見ると,相関係数はおろか,標準偏差を求めるのも大仕事であった様子が実感でき,自分のことでもないのに,頭がくらくらしました。
池田先生はアメリカ留学時,文系の学生も大型計算機を使い気軽に統計計算を行っている様子を目の当たりにし,帰国後は大型計算機を用いた統計計算の実践(普及)につとめられた頃の資料もきっちり残しておられ,物持ちの良さに感銘を受けました。8インチフロッピーなんて,久々に見ましたです。
電卓の登場により,個人の手元で計算が気軽に出来るようになったこと,そしてその頃の電卓の実物(もちろん池田先生の私物)の展示がありましたが,「メモリーがついたことは画期的であった」というような記述に,やはり頭がくらくらしました。今や,電卓のメモリー機能なんて,使い捨て感覚の電卓にさえ備わっているのに,当時は,「画期的」とは・・・
さらに進化した関数電卓の展示もありましたが,このくらいになると,lionusにも親近感が湧いてきます。
初期のパーソナルコンピュータの展示に至っては,懐かしさ全開ですね・・・Macintosh SEは,昔むかしちょっと触ってみた程度ですが・・・現在でもその可愛らしさは特筆に値すると思います。
その他,常設展示も「計算」の歴史に特化したもので,好きな人は好きだろうなぁと思いました。
パラメトロンコンピュータの実物があるのは何気にマニアックですね。
その他にも,ガラクタとして捨てられてしまいそうな日本語ワープロ専用機とか,昔のPCなども無造作に置かれ展示されています。古くなったら邪魔にして捨ててしまうのではなく,後世の史料として誰かが遺しておく必要があると痛感しました。