lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

道徳的行動の心理学―自己抑制と愛他行動の形成 (有斐閣選書 (744))(青い鳥みぃつけた。)

かなり古い本ですが・・・図書館の普段あまり見ない書架エリアを眺めていたら,目に入り,ちょうど今作成しているプレゼン原稿に関係あるので,早速読んでみました。
著者は実験社会心理学の立場から,観測可能な行動を中心に研究をすすめておられるようですが,本書の中では認知的側面の研究(ピアジェやコールバーグ)も取り上げ,行動と認知の両面からの論考をしておられます。
道徳的行動を「してはいけない」=誘惑への抵抗力と,「よいことをする」=愛他的行動の2点から考え,研究されているのは新鮮でした(特に後者に着目されている点)。lionusにはまだ後者はぴんと来ていないところがあるのですが,本書の中で仮説として示された「誘惑への抵抗力と道徳的行動との関係」のモデル図は

キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!

って感じでした。
先行研究の流れについてもまとめられているので,とても助かります。
道徳性というか良心について,あのアイゼンクが語っていたとは知りませんでした。

不安,つまり,古典的条件づけによって形成された情緒反応が,アイゼンクのいう「良心」なのである。
これに対して価値観は,文字を暗記するとか,スキーやテニスを練習するといった学習と同じように,オペラント条件づけによって形成されるとする。このように,アイゼンクによれば,良心と価値観とはそれらの形成過程が別のものである,ということになる。

ところで,お名前でweb検索していたら,一般向けの原稿が見つかりました。これも興味深いので貼っておきます。
http://www.3chikara.jp/3c/column.html
http://vl-fcbiz.jp/article/ac008/a000128.html