lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ!(自分の頭をつくるのは自分の日々の行動。)

mkawanoさんの3月31日の記事を読んで,自分も読んでみました。これも数か月前に読了したものです。

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ! (有斐閣アルマ)

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ! (有斐閣アルマ)

大学でいかに過ごすべきかということについての意見と具体的行動のアドバイスです。mkawanoさんの記事で目次が挙げられていますので,内容についてはそちらを参照ください。

授業にただ出るだけで,将来必要だと思われる知識が得られたり,そこで教えられることが将来につながると感じたりするようになるというのは傲慢なのである。

どひゃー。溝上先生,バッサリ。

大学での勉強が将来に役立つ,つながると感じられるようになるためには,日常生活のなかでの不断の努力と習慣化が必要なのである。何を努力し習慣化するのか,それは,自分は何に興味,関心があって,それについて何を考えていて,何を知っていて何を知らないのか,そういう思考の習慣と知識の習得である。

本書は,溝上先生が所属されている,京都大学の学生との経験を基に書かれた部分も大きいようですが,別にこのことは,京大のような「優秀」な学生さんがおられる大学以外にも応用可能なことであると思います。
まず自分を知ることですね。
ちょっと前,Tせんせいが自分の担当されている授業での学生のコメントペーパーについて,あれこれlionus相手に話をされた時のことを思い出しました。確か,話題のひとつになっていた学生の質問は「人生で最も重要なことは何か」みたいなんだったと思うのですが,それに対してTせんせいは

身の程を知ること

と,答えたということです。
すごく圧縮された言い方で,少し時間が経った後でも,Tせんせいの学生はこの真意は分かっているのかなあとlionusは思っています。大学生対象には溝上先生のような説き方が適切かもしれないですね。
・・・
で,自分を知ってからどうするということもさらに重要です。

大学以降社会に出てから問われるのは,自分の頭である。それは残念ながら,ただ授業を受けるだけでつくられる類のものではなく,日常生活のなかでそうした思考の習慣や知識の習得を主体的に心がけることでしかつくられない類のものである。

どんなにすばらしい授業をする名教師であっても,どんなに世話好きな人であっても,日常生活のなかでの個人の頭のつくり方にまで踏み込むことはできない。それは,個人が自覚的に日常生活のなかでつくっていくしかないものである。

第2部の「行動編」では,具体的な数々の提案がなされています。
大学生だけではなく,lionus猫にも大変有難く拝読できる内容です。