lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

人ごとではない。

TVや新聞記事(ネット上)でも多く報じられていますが,以下はイベントの混雑具合を「野次馬」的に取材しようとして(多分),図らずも事故の実況中継取材になってしまった記事です。はてブ経由で知りました。
【速報】ワンダーフェスティバル2008夏、開場直後に人が多すぎて地鳴りのような音ともに4階から1階へエスカレーターがぶっ壊れて逆流、けが人発生GIGAZINE
この記事の他,NHK総合の夜8:45のニュースで,現地に居合わせたNHKの関連会社の社員が撮影したという,事故発生当時の映像も見ました。こちらの方が,エスカレーターの真下からでしたので,よりはっきりと事故発生当時のエレベーターと人の動きが分かりました*1
このエスカレーター事故のことを知って,真っ先に思い出したのは,先日読んだ以下の記事の引用部分です。
失敗だらけの現代ニッポン、安全社会という落とし穴日経ビジネス オンライン)

■安全幻想がキリギリスを生む
(中略)
 何をやっても安全だと勝手に思って、とても危うい使い方をしている典型的な例が「エスカレータの駆け下り」だ。
 手すりにつかまらないで駆け下りている最中に、ほかの場所で物が挟まって非常停止するなどということはいくらでも起こり得る。駆け下りている人は転んで大怪我をするだろう。
 こういう「危険」があるのに勝手に「安全」だと思い込んでいる。怪我をした後で悔やんでも何にもならないのに。

失敗学で有名な畑村洋太郎氏の言葉です。
この部分だけでなく,他の部分からも考えることは多々あったのですが,「エスカレータの駆け下り」はピンポイント的に妙に引っかかりました。
朝の通勤で路線乗換時,人の流れに乗って何も考えず,長い下りのエスカレーターをどしどしと駆け下りていたのですが,上の記事を読んで以後,どしどしと駆け下りることは自重するようになりました。せめてゆっくり歩いて下りるにしても,手すりを握るようにしていたのですが,「同じように歩き下りている後ろの人が崩れ落ちてきたら無事では済まない」と思い,急いでいるときは階段を駆け下りることにしました。階段なら,(少なくとも)落っこちるのは自分のせいですから。
本日のエスカレーター事故は,駆け上がったりせず一応「ちゃんと」乗っている状況での事故のようですので,上記の「駆け下り」というエスカレーター本来の使用方法からやや逸脱したケースとは違い,一様に論じられないと思います。*2しかし,もし足元のエスカレーターが突然停止したらどうなるかという予測をしつつ,その場合危険を最小限にとどめることのできる使用(行動)を心がける用心は必要だと感じました。
(2008/8/4追記)
エスカレーター事故、重量オーバーで停止・逆走か

 1階の乗り口付近には、混乱を避けるためにイベント会社が係員を配置していたものの、客は次々に乗り込み、1段に3〜4人が乗るなど、事故当時、エスカレーターは身動きが取れない状態だったという。
 エスカレーターは、7・5トンを超えると、安全のため緊急停止する仕組みになっており、同署では、緊急停止後、重みに耐えられずにエスカレーターが下に動き出したとみている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080804-00000019-yom-soci

重量オーバーだったのですね。
NHKのTVニュースでは,メーカーが定めている1ステップの制限重量は97.5kg(聞き書きですので,数値には間違いがあるかも;でも100kgは超えない)と伝えていました。これを聞いた瞬間,仮に1ステップに体重60kgの男性が2人乗ったら余裕で制限重量を超えてしまうじゃん!とびっくりしました。したがって,全てのステップに大人が2人ずつ乗ることはメーカー側は想定していないそうです。
すごい盲点でした。

*1:NHKのサイト内には動画ニュース映像はないようです

*2:ただ,2人並んで立つはずのステップ部に3人立っているケースもあったようで,想定外の加重などの要因はあったのかもしれません。