lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

うまいことを言う。

昨日の、冥王星型天体:惑星の基準満たさない天体、新名称決定というニュースの後、wikipedia:太陽系外縁天体とか見ていると、「TNO*1の中に新たなサブグループを作り、冥王星をその代表例と位置付けることが決議された」とあったので、単なる「格上げ」ではなく、もうちょっと複雑な感じだな・・・と思っていました。
ぐぐって出てきたページをもうちょっと見ていると、国立天文台 アストロ・トピックス (387)「国際天文学連合、冥王星型天体の英語名を決定」が、今回の新名称に「冥王星」の名が冠された背景がよくうかがえるような記述でした。

2006年夏の国際天文学連合 (IAU) 総会で、太陽系の惑星の定義が採択されました。実は、そのときに同時に、「太陽系外縁天体 (注1) で、なおかつ準惑星」という新しい天体の分類を作ることも採択されました。しかし、この分類を新しく作ること自体は採択されたのですが、残念ながら、英語名については合意には至りませんでした。
(中略)
dwarf planet には準惑星、trans-Neptunian objectには太陽系外縁天体という和名が付けられました。上記の新しい分類の天体については英語名すらIAUで決まっていませんでしたが、委員会では様々な観点からの議論を総合して、冥王星という長い間親しまれた天体に敬意を表する意味合いを込めて、「冥王星型天体」という和名を推奨することにし、 IAUにもその趣旨にそった名前を決めて欲しいという要望を提出しました。
この要望を受けて、IAUで太陽系天体を扱う第三部会の中でも議論がすすみ、このたびノルウェーオスロで開催されたIAU評議員会で、最終的に plutoidという英語名にすることが決定されました。冥王星の英語名である Pluto をもとにした、冥王星の仲間という意味での命名です。冥王星という名前を大事にする「冥王星型天体」という推奨和名とも相性のよい命名となりました。

冥王星に「敬意」を払ったというニュアンスがよく出ています。
記事の締めが興味深いです。

現在、冥王星型天体に分類されているのは冥王星とエリスだけですが、今後は増えていくと考えられます。第三部会の中では、今後、太陽系外縁天体の中でも絶対等級が1等よりも明るいものについて、冥王星型天体の候補として固有の名前をつけることになっています。冥王星は、いわば太陽系を構成する新しい種族、「冥王星型天体」の盟主として復権した*2といえるでしょう。

惑星からは外れたけれども、別世界の”盟主”として復活・・・冥王星らしいじゃん。現世=惑星の世界とは別世界の、冥界=冥王星型天体の世界の盟主となったってわけですね。
「破壊と再生」を示す冥王星の本性がこれでより明らかになったというか、確立したっていう感もあり。
占星の世界では、次は冥王星よりも遠い(深い)”惑星”を使うようになるかもしれないですねぇ(←無責任モード)。
あと、今回の件では某巨大掲示板のスレッドログからのコピペが秀逸(ワロタ
ニュース超速報! 【宇宙ヤバイ】冥王星が「準惑星」から格上げ――「冥王星型天体」という分類を新設

31 名前: バビディ(埼玉県)[] 投稿日:2008/06/13(金) 10:06:59.79 id:Ww2nVjD50
金星  「あれさ、グランドクロス?おまえ参加する?」
木星  「うぃ」
火星  「参加」
地球  「一応いまんとこ」
海王星「あー・・・あれなぁ・・俺公転周期微妙にあわねぇんだよなぁ・・・」
水星  「マジ?」
天王星「周期なげーと大変なんだよなぁ」
土星  「だよな、そっちどーよ?」
冥王星「いや、おれ・・・」
金星  「どしたん?」
冥王星「その、おれ・・・無理なんだ・・・」
海王星「なんで?周期だいじょぶっしょ?」
冥王星「そうじゃなくて・・・」
水星  「なになになに、まさか自転がらみ?あらあらあらきてんじゃねーこれ、うはww」
冥王星「はは・・・そうじゃないよ。そうじゃなくて・・・俺やめるんだ」
木星  「うん?」
冥王星「……惑星・・・止めるんだ」
一同  「…」
112 名前: エネモ(高知県)[sage] 投稿日:2008/06/13(金) 16:40:32.15 id:MoOkrPLz0
冥王星「……惑星・・・止めるんだ」
一同  「…」
地球  「…じゃあ、あれだ、何て呼べばいいのかな?」
水星  「…そりゃおまえ、あれだよ、矮惑星とかでいいんじゃね」
海王星「とかでとか言うなよ!もっと真剣に考えてやれよ!」
木星  「そうだよ。確かに前から小さすぎるとは思ってたけどさ・・」
地球  「あまり近寄ったことないからあれだけど、多分俺のペットの月より小さいな」
水星  「だよなー!ぶっちゃけ俺んところからは見えないしw」
金星  「お前が言うな。おめーも月と大して変わんねーだろ」
水星  「あ?何やんの?言っとくけど太陽さんには俺のほうが近けーからな」
天王星「お前らいい加減にしろよ。今は冥王星の肩書きを考えてるんだろ」
火星  「ごめんなー、こいつらばかり盛り上がっちゃって」
冥王星「ああ・・・うん」
火星  「俺の近所に、セレスってのがいるんだけど、そいつと一緒に準惑星ってのはどうかな」
木星  「ああ、セレスは知ってるけど、さすがにあれと一緒にするのはかわいそうだろ」
土星  「そんな小さいの?」
木星  「冥王星の半分以下」
天王星「そりゃ可哀想だ。だったら冥王星の向こうにエリスってのがいるから、それと一緒の方がいい」
地球  「お前そういうのよく知ってるよねー。で、大きさはどうなの?」
冥王星「多分・・俺よりでかいよ」
一同  「・・・!」
土星  「ばっ・・!お前それが何だってんだよ。冥王星冥王星だよ」
金星  「そうそう。だからエリスを冥王星型天体って呼べばいいんだよ」
海王星「それいいな、そうすれば冥王星が基準になるわけだ」
火星  「賛成」
地球  「賛成」
木星  「賛成」
冥王星「はは…ありがとう。でも、もういいよ・・・ほんと」

スレッドログについたコメントもちょっとニュアンスが違うんだけど、ナカナカ。

26737 名前: 名無し超速報!投稿日:2008/06/15(日) 14:15:14 -

みんなが楽しそうにあの人の周りを回ってるの見て、いいなぁって思ってた。
ここはとても寒くて、でも私はこんなだし、でも…さびしくて。
いつのまにか、こっそり私も回ってた。みんなみたいにうまくいかなかったけど。

見つかっちゃった時は少し恥ずかしかった。でも、うれしかった…
みんなが私に気づいてくれた。ここは寒いけど…もう寒くなかった。
私はもう、一人じゃないんだって。そう思えた。
でも…やっぱりいけない事だった。みんな今まで騙してゴメンね。やっぱり私には資格がなかった。

今まで私を仲間にしてくれて、ありがとう。
みんなにたくさんのあったかい思い出をもらったから、私はそれで十分です。

どうか、私が勝手に回ることをゆるしてください。
うまく回れるように、今も頑張っています。
そうしたら、もしかしたら、また…
それは絶対にない。頭ではわかってる。でも、そうせずにはいられない私を、どうかゆるしてください。

*1:trans-Neptunian objects、太陽系外縁天体、要するに、惑星で太陽系の最も外側にある海王星よりも、もっと外側の、惑星になりきらない小さい天体のことかと。

*2:太字はlionusによる