lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

フランケンシュタインを一瞬連想した。

甲南大の公開講座を受講してきました。本日は,「ロボットの周囲環境」(梅谷智弘先生)でした。
ロボットについては,高専ロボコンなど,一般人として見るのが好きなので,割と期待していました。
講師の先生は淡々とお話されていたのですが,内容は公開講座としてよく考えられた内容であったと思います。

  • ロボットには(人間と違い)”常識”がないので,物事を理解する(理解させる)ことは難しい。・・・そもそも,”理解”というのも人間のスキームであるからなぁ。
  • ロボットの苦手なもの,として状況判断や新しいことを挙げられていましたが,ロボットの苦手なことこそ,人間が人間である所以を示すのではないかと,拝聴しながら感じてしまいました。もひとつ言えば,ロボットによる作業に置換不可なことが出来ないと,労働市場で生き残っていけないと世知辛いことを考えてしまいました。もっとシンプルにいえば,単純労働では使い捨てられるどころか,ロボットに職を奪われるよということです。
  • 加藤一郎先生は日本のロボット学の父なんですか。ほほう。
  • アイザック・アシモフによる「ロボット三原則」は有名ですが,それ以前の戯曲などでは,ロボットは製作者を殺して(害して)しまうという結末になっていたということです。講義中のお話で,ちゃんと調べていないので,具体的にはどういうことなのか,よく分からないのですが,文学研究的な点でも非常に面白いと思います。時間があったら,ちょっと調べてみたいなぁ。
  • フレーム問題が出てきたので,思わず反応してしまいました。考えられうる想定をすると,どれか選べない。論理で判断しようとするとそれは困難。人間は,適当なところで手を打つので,それなりに破綻なくやっていける。
  • ロボット(コンピュータ)にとって新しい状況が出てきたら,それをいちいち記憶していかないといけない。覚え切れないし,覚えても使えない(使えるとは限らない)。
  • 人間は気にしない,忘れるなどで,”冗長”なものは”捨てる”ことが可能である。しかし,ロボットにはそれができない。
  • ロボットを人間に限りなく近づけるために,人間の生体情報を測定し,それに基づいてロボットを作る。
  • 最終的な目的は,人間のように自分で情報をゲットして判断し行動するロボットを作ること。
  • ニューラルネットワークが出てきたので,これ幸いとちょっと質問させていただきました。ニューラルネットワークと言われると,ニューロンを何かの素子に置き換えてどうこうするようなものを連想していたのですが,つまりは「数式モデル」だったのですね。0か1かのパルスを重ね合わせて結果を作る,とお話しくださいました。また,ニューラルネットワークにより学習するとすれば,ヘッブ則のような,何か法則がないのかと質問したところ,数式のパラメータを変化させる,言い換えれば重み付けの最適化を試行錯誤することにもり,最適なモデル(数式)を探るというような感じのご回答をいただき,大変納得できました。あくまでも,大雑把な理解でありますが,lionus的には結構腑に落ちたのは大変有り難かったです。
  • 昔むかし,PCを購入したコネ元となった親戚の大学の先生も,本日の講座近辺のことをされているのかな〜とふと思い出しました。