lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

4月から1か月間の暫定総括。

非常勤先の1つでは,この4月からOSはWindowsXPのままでOfficeが2007に入れ替わりました。
それに合わせて大特急で作成されたテキストを元に,新学期開始から自転車操業で動画教材を作成し,リテラシー系の授業ではそれらのテキスト+動画教材を使って授業をしています。
この1か月弱授業をして判明したことは,昨年度までのOffice2003の環境よりも,学生さんの作業時間が10〜20%程度増加しているということです。これくらいなら授業時間中にほぼ全員が終えられるだろうと見積もっていたら,案外そうでもないことが多発しています。
別な言い方をすれば,Office2007の環境になって学生さんの作業時間が増しているということです。
3月後半から自宅に新PCを導入しOffice2007を本格的に使いはじめたlionusとしては,確かにインターフェースは大変化で,今までの経験はほとんど無に帰してしまうような感があるが,各アプリケーションの機能を「構造的」に把握(理解)していれば,新しいインターフェースの構造は案外馴染みやすいのではないかとも感じています。
しかし,Office2003までのインターフェースに「表面的」に馴染んでいた場合は,「あれは何処にいった?」と画面上を彷徨い続けることになってしまうのだろうなぁとも思います。
そう思うのは,学生さんの様子を背後から眺めている*1と,作業中マウスをウロウロと彷徨わせる時間が長いなと気がついたせいもあります。以前とは大変化した2007のインターフェースに戸惑うことは事前から予想していたので,「見れば分かる」「繰り返し見られる」動画教材を用意しその効果により,画面上でそんなには悩ませないで済むのではないかと思っていたのですが,やはりインターフェースの大変化はその配慮を上回る影響があったようです。
今lionusが担当している学生さんのほとんどは,高校で「情報」を学んできた層ですし,近年は大学入学前に自宅にPCがあり,使用経験があることはかなり「当たり前」になってきています。
したがって,Office(ワープロ表計算)は使ったことがあり,したがってそれらでどんなことができるかについては,多少の知識はあると推察できます。
しかし,それらの経験はあくまでもOffice2003までの経験であることがほとんどで,あれをするならこのボタンをクリック,とか,あれはあそこをクリックして出すとかいう「手続き記憶」に依存するところが大きいのだと,つくづく実感した気がしました。

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で,その「手続き記憶」を教え込むことに終始していると思われがちの,所謂「リテラシー系」の情報教育の一端を担っているlionus猫ではありますが,技術っていうのはこのように,突然ドラスティックな変化をして,今までの経験が無用になることもあるんだよ〜んっていうことを,甚だ逆説的ではありますが,一度授業で言ってみたいと思っております(激藁

*1:なぜ眺めていられるかというと,授業開始後に動画教材を示し全体に向けた説明をするのは10〜20分程度で,その後は自学自習状態で,lionusはTAと同様にウロウロ歩き回りながら,個別質問を受けたり,背後からさり気なく観察したり,必要ならば突っ込みを入れたりするのです。