lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

3〜4時間程度睡眠できているなら死なない。

先日,非常勤先のひとつであるST養成校での「国試直前対策」なる2クラス×2コマの授業をやってきました。一日に4コママイク無しで喋るとさすがに声がしんどいですが,単発だし,何よりも受講生の聴講態度が「真剣」なので,その勢いに背中を押され,体力不足のへたれlionusでも気合が切れずこなすことが出来ました。
今回の直前対策授業では,先日書いた通り,臨床心理学分野での行動療法・認知療法認知行動療法にヤマをはったので,過去問の解説を通じて,この分野の説明を結構やりました。
・・・lionusは行動療法や認知療法についてはシロートなので,教壇で解説するのは全く冷や汗が出る思いなのですが,「門前の小僧習わぬ経を読む」の気分で学習心理学の(乏しい)素養を基に頑張って喋らせていただきました。
で,授業を終えたところ,ひとりの学生さんから国試に落ちたらどうしようという不安で苦しく勉強が手につかないという主訴の相談を受けました。
まあ,色々と30分ほどお話させていただいたのですが,まさにその「お話」が先ほどまで授業をしていた認知行動療法的な知見に基づいた「アドバイス」になってしまうのは,自分で自分が面白かったです。
その学生さんは本来極めて「普通」な人なのでしょうが,大学卒業して,何年かの社会人経験を経て,何らかのきっかけでSTを目指して夜間の専門学校に入学しているので,「背水の陣」なのだと推察します。それに,そもそも,医療職を目指そうという人は基本的にシリアス(真面目)なので,余計に落ちたらどうしようという不安が切実なのだと思います。
で,色々と訴えてこられるので,それを個別に潰して(他に適切な言葉があるだろうとは思うのですが,あくまでも緊急避難的なアドバイス場面なので)いくわけですが,その主訴の中で「最近3〜4時間くらいしか寝られない」というのがありました。
一般に睡眠は7時間が最適とか言われているらしいので,確かに睡眠不足とは思いますが,最適な睡眠時間は個人差があるので,3〜4時間が一概に睡眠不足とは言い切れません。
しかし,入眠困難が甚だしければそのこと自体がストレス要因になりますので,そのことについて尋ねたところ,寝入るまでに1時間も2時間もかかるという訳ではなかったようです。このことから,一応,病的な不眠というよりは,不安=覚醒亢進のため,睡眠時間の短縮につながっているのではないかと思いました。しかし,毎日3〜4時間は眠れているというならば,最低限の休息(睡眠)は確保されているものとして判断できますので,「3〜4時間睡眠が何年も続くならばよろしくないかもしれないが,数ヶ月単位のことであれば問題ない」旨のコメントを返しました。
言い換えれば,毎日3〜4時間ほどしか眠れない,というのは,不合格不安の別表現なのだろうな〜と喋りながら思い,「まあ,3〜4時間しか眠れないっていのは私も去年の9月〜12月くらいは忙しくってそうだったけれども,数ヶ月なら死ぬことはないから,大丈夫!いずれにしても試験が終わったらいくらでも寝れるんだし!」と満面の笑顔で言い切ったところ,とりあえず何だかよく分からないけれども根拠レスの納得をしてくれた様子でした。
とりあえず,2〜30分ほど喋って少しは役に立ったような様子でしたので,lionusとしてもそれなりに気は済んだような心地なのですが,学生さんにアドバイスしながら,改めて自分も勇気付けられたような気持ちになりました。
つまり・・・

  • 標題の通り,とりあえず3〜4時間程度睡眠できているなら死なない。
  • 試験に落ちたらどうしよう(失敗したらどうしよう)と考えているのは実は一番楽なこと。そう考えている間は実は何も(勉強)していない。勉強(生産的活動)からの逃避として,そういう想起をしているのではないか。そんなことを思っている暇があるならば,脳のなんちゃら部位の図を眺めてみるなど,機械的でも何か少しでも生産的なことをする方がずっとましである。