占いの謎―いまも流行るそのわけ(当たるかどうかは問題ではなく。)
- 作者: 板橋作美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/11
- メディア: 新書
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結局,人間は,世界や人生を無意味でデタラメなものとしては受け入れがたいのである。それらを,意味あるものとして,説明できるものとして,秩序あるものとしてとらえたいと思うのである。宗教や自然科学の目的は,つきつめれば,そういう世界の秩序づけである。
世界が偶然の寄せ集めととらえられることに気づいたとき,そういう偶然性を,なんとか必然性へと読みかえようとするこころみ,その一つが占いなのではないだろうか。
その意味で,占いは,人間というもののあり方そのものに根ざしており,それゆえ,はるか昔から今にいたるまで,人間は占い行為をおこなうのであり,おそらく,このあとも,どんなに科学が進歩しようと,占いに頼る人がいなくなることはないだろう。