lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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活断層(日本列島は傷だらけ。)

活断層 (岩波新書 新赤版 (423))

活断層 (岩波新書 新赤版 (423))

出版されたのは阪神・淡路大震災があった1995年の12月ですから,極めてタイムリーだった本ですね(阪神・淡路大震災活断層によって起こった)。

全国には,活断層を付近にもつ都市とそうでない都市があります。任意にえらんだおもな都市80ほどについて,都市の中心から5キロメートル以内に活断層をもつ都市がどのくらいあるか,公表されている『新編 日本の活断層』(活断層研究会編,東京大学出版会)によってかぞえてみたところ,半分近くの都市が該当しました。

ガーン。
とはいっても,活断層は数百年〜千年単位で1度動くかどうか,という類のもので,しかもそれぞれ活動度合いが異なるため,活断層すなわち地震が(すぐに)起こるということではないそうです。
古資料の検討や地質学的調査を行い,その断層の活動度と活動の規模,そして前回の活動(地震)を推定することにより,要注意の活断層を割り出すとのことです。
本書では活断層活断層の引き起こす地震について解説し,日本全国の「要注意」な活断層を指摘しています。
ちょっと意地悪なlionusは,本書の出版以後,「要注意」と指摘された活断層による地震災害が発生しているか(つまり要注意との判断が当たったかどうか),気象庁のページを参照してみました。
すると,2004年10月の新潟県中越地震が「当たって」いたようです(信濃川断層帯)。
しかし,2000年の鳥取県西部地震や2005年の福岡県北西沖地震は「要注意」の空白地帯で起こっており,次どこが”危ない”かの判断は難しいものだと思いました。ただし,地震発生の危険判断については,活断層による地震だけでなく,プレート境界地震も考慮しないといけませんから,このことだけで地震予知の可能性を見限ってはいけないと思います。