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地震と噴火の日本史(富士山大爆発。)

地震と噴火の日本史 (岩波新書 新赤版 (798))

地震と噴火の日本史 (岩波新書 新赤版 (798))

こちらは,有史〜19世紀に日本で起きた地震・噴火災害について解説した本です。
小学生の頃,『富士山大爆発』*1という本を読んだことを思い出しました。

宝永の噴火以後,300年近くも富士山は沈黙している。しかし,歴史時代の富士火山の活動を振り返れば,この沈黙は,”かりそめの眠り”にすぎないことがわかる。長大な火山の時間にしてみれば,数百年程度の静穏は,一時の休息にすぎないといえよう。
活火山富士は,いつかかならず噴火を再開するにちがいない。ひとたび噴火すれば,現代の高度文明社会に,どのような複合災害をもたらすことになるのであろうか。

昔からの大都市,京都と江戸を襲った直下型地震についてもふれられています。
江戸については定期的に直下型地震に襲われることはよく承知していましたが,京都については認識があまりなかったのでゾッとしました。

統計的にみれば,京都は160年に1回ぐらいの割合で,大震災に遭遇しているのである。
ところが,1830年の京都直下地震以後,現在まで170年以上も,この町は大震災に見舞われていない。(中略)
しかも京都は,戦災を免れたこともあって,老朽化した木造家屋の密集している地区が多い。(中略)
さらには,木造家屋群のあいだに,新しい鉄筋のビルが混在するなど,雑然としたまちづくりが行われてきた。(中略)
現在の日本で,もし内陸直下の大地震が起きたならば,最も危険な都市は京都ではないかと,私はつねづね思っている。

*1:この本のサブタイトルには「運命の1983年9月X日」とあり,この日に富士山が大爆発をして東海から関東に大きな被害をもたらすと主張していた覚えがあります。