lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

産ませるだけでは駄目。

NHKスペシャル「ドキドキ・ヒヤリで子どもは育つ〜遊具プロジェクトの挑戦〜」を観ました。

  • 近年,公園の遊具が次々と撤去されている。そのきっかけは,遊具で子どもが怪我をしたり死亡する事故の発生。
  • 遊具の老朽化による事故ならば,遊具のメンテナンスをきちんとすれば防げるのではないかと思われるが,自治体へのアンケートによると,「メンテナンスにお金がかかる,職員がいない」上,一旦事故が起こってしまえば管理責任を問われることになるため,面倒を避けるため撤去してしまうという対応になるらしい。
  • 「危険な遊具」のひとつに「箱ブランコ」がある。分かっているだけでも20人以上の子どもが死亡,しかし具体的に何が危ないのか調べられたことがなかった。
  • 現在でも3600台の箱ブランコがまだあるという。公園の遊具には法的な基準や規制はなく,何を置くかは市町村の裁量。しかし,遊具による事故が起こっても,市町村間での情報の共有が無い。また,どのような遊具を置くべきか自治体が調査することはほとんど無かった。
  • 安全は何よりも重要だが,ちょっとだけ危険な,言い換えれば子どもの力量をわずかに上回る力を必要とする遊具で遊ぶことにより,子どもの心身の発達が促される。
  • 外遊びしない子どもの方が外遊びしない子どもに比べ「自分はダメだと感じる」など,抑うつ的な訴えが多いらしい。外遊びは子どもにとって健全なアグレッションの発散法,精神安定の効用があると感じた。
  • 番組で紹介されている「遊具プロジェクト」が,ダミー人形を使った実験や,実際に遊ぶ子どもの様子からデータを取るなどして,安全でかつ,ちょっと危険な遊具の開発中。先日試作品が完成したというところで番組が終わっていた。
  • 遊具プロジェクトのメンバーの発言:「(逐語記録でないので要約ですが)子どもの体力が低下していくって漠然と言っているけれど,子どもがどれだけのことができるか,能力をもっているのか数値化する,数値化してそれに見合った遊具を作るべき」→大いに同感。漠然と「××はけしからん」「××が低下している;悪化している」など感覚で発言することは不誠実である。プライベートの世間話として話すなら罪は無いが,その感覚で仕事をしたり公の場で発言するのは本当にいけないことだと思う。

ところで,
某厚生労働大臣の”産む機械”発言の波紋もぼちぼち落ち着きつつあるのでしょうか。
普通に無神経な発言の上,厚生労働大臣ともあろう人が何と人非人な,と思いますが,とりあえずまだ辞めておられないのでそれでいいと思っておられるのでせう。
安倍首相も彼が辞めたら政権初期で閣僚辞任が2人目となり,親分としての面子丸つぶれ→政権瓦解となるのが恐ろしく,切るにも切れずかばうしかないのかもしれません。
で,何万歩か譲って女性にぽこぽこ子どもを産んでもらうとして,産んだ後の施策は何か考えておられるのでせうか。産ませるだけ産ませて出生数の頭数を増やしてそれでよし,という訳にはいかんでしょう。
生まれたらその子どもが育って税金(あるいは年金料)を納めてくれるようにしないと,そもそも子どもを産ませた目的は達せられないではありませんか。
つまりは子どもには心身ともに健やかに育ちひとりの自立した人間になってもらわないといけないのですよね。
厚生労働大臣様,貴方には色々としていただきたいことは山ほどありますが,ひとつどうぞ子どもがしっかり遊べる環境を作ってくださいな。お願いしますよ。*1

*1:所轄違いだと言われるかな?