lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

数を表現する技術-伝わるレポート・論文・プレゼンテーションー(数学の本ではないです。)

数を表現する技術-伝わるレポート・論文・プレゼンテーションー

数を表現する技術-伝わるレポート・論文・プレゼンテーションー

自分の主張に裏づけや説得力を持たせるために数値データを使う時に配慮すべきことが解説されています。翻訳もので,曖昧さを無くすため記述が手取り足取りというか事細かです。どちらかというとこれからレポートや論文を書く学部生が読むべき本だと思いますが,あれやこれやと核心の周辺から理詰めで迫っていくように書かれているので,むしろ(根気のない日本人の)初学者こそ核心をつかむ前にお腹一杯になってしまいそうな気がします。一度はまとまったレポート・論文を書いた経験があり(困った経験があり),今もレポートや論文を書く必要に迫られている院生以上の人には有難みがありそうな本だと思いました。
lionusはかなりはしょりながら読みましたが,「特定の目的と変数の種類に適した図の種類」の一覧表とそれに対応する解説部分は参考になりました。つまり,表現したい事柄に応じた適切なグラフの選択に関するガイドラインです。
他には,数値を用いた論文や報告書の書き方についての説明は大変参考になりました。既存の論文をお手本にしながら試行錯誤で学ぶことが解説されています。ただし,本書で述べられていることはごく大雑把な方針・考えですから,何かのテンプレートに数値をはめ込めば完成!みたいな安易なHOWTOではありません。