丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム(大学(高等教育)は誰のためのものか。)
- 作者: 竹内洋
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 新書
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丸山眞男うんぬんというよりも,高等教育といったものについて考えさせられました。
Wacquant, L.J.D.(1993)とBourdieu, P.(1996)をもとにフランスの高等教育についてまとめられた「図3-1 資本・権力・エリート」という図が面白かったです。
文化資本+ | 文化資本− | |
経済資本+ | 経済資本+ | |
社会空間 | ||
「芸術家」 | 「ブルジョア」 | |
科学者 | 専門職業 | 実業家 |
権力界 | ||
芸術場―学術場― | 官僚(政府)場 | ――経済場 |
エリート学校界 | ||
知の学校 | 政治・経済の学校 | |
エコール・ノルマル・シュペリユール | エナ(国立行政学院)・シアンス・ポ(政治学院) | HEC(高等商科学院) |
(高等師範学校) | ||
学生のそれまでの学歴・文化資本を重視する | 学生のそれまでの学歴・文化資本を重視しない | |
学問的に支配する | 学問的に支配しない | |
社会的に支配しない | 社会的に支配する | |
文化的活動 | スポーツ活動 | |
左翼系 | 保守系 | |
知性・思考・洗練・教養 | 権力・行動・雄々しさ・実用 |
その人の人格の陶冶(教養を高め,人格を養う)のためか,お国のため役立つ人材を輩出するためなのか。
話は飛びますが,
(大学における)情報教育にしても,昔でいう「教養教育」として扱うのか,それともスキルに直結した*1「専門科目」として扱うのかといったことで,随分意見が分かれるのではないかと思いました。
SSSに参加して,私はそのあたり峻別していなかったと気がつきましたし,どちらかといえば自分は前者の立場だったなと思い至りました。
*1:スキルというのは,特定アプリケーションの操作に限らず,プログラミングをして何かをしたり作ったりできることも含みます。