lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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ぎりぎりセーフ。

京都国立博物館の特別展覧会「大絵巻展」を観覧してきました。
週1回仕事で京都に行くので,その時にちょっと寄って観ていこうとお気楽に考えていたのですが,有名な国宝「鳥獣戯画」他,貴重な絵巻が多数展示されるということで,連日入館するのにも1時間待ち,入館後も「鳥獣戯画」を観るのにまた1時間近い待ち時間があるそうで,仕事の合間に行くことを断念しました。
券は買ってしまったので,6月4日(明日)までの期間中いつ行こうかと悩んでいました。先に述べたような待ち時間を考えると,3〜4時間は必要になるでしょうから,仕事のある平日には無理です。
よって土曜日の今日,混雑覚悟で行くことにしました。
当初は朝早く開場前から並んでみようかと考えたのですが,昨日ネットで少々調べたところ,いくつかのblogで「要領よく」観るコツを知ることができたので,そのコツにしたがい,入場終了ぎりぎり5分前に飛び込みました。
結局,あまりゆっくり観ることができたとはいえませんでしたが,入館まで15分程度,国宝「鳥獣戯画」や「源氏物語絵巻」(現存する最古の絵巻),「信貴山縁起」を観るのにも10分程度の待ち時間で済みました。
絵巻はその物語性が強い性質上,ほとんど知識の無いlionusが観ても楽しいものでした。
鳥獣戯画」は蛙や兎の画で有名な甲巻だけでなく乙巻も展示されていました。どちらも同じ絵師による作と推定されているそうですが,実物を見比べてみたところ,やはり有名な甲巻の方が活き活きしていて,登場人物(動物)がかわいらしく愛嬌が感じられました。
源氏物語絵巻」は初めて観たのですが,巻物の形ではなく,切り離されて額の中に入っている状態でした。どうして切り離されているのだろうか・・・と気にはなりました。その時は大変古いものだから破れてばらばらになったのか,それとも貴重(=高価)なものなので,かえって切り売り(ばら売り)されてしまったのだろうかと思いました。
帰ってからぐぐってみると,どうも保存のため切断されたようです。

徳川義親は原本の保存のために周囲の反対を押し切って決断し、昭和八年、絵は一図一面、詞は二紙一面に継ぎ目から剥がして切り離し、台紙どめにして平箱に収める額面装に改装した。(中略)この改装によって巻子装開繙に伴ふ消耗は解消し、たとへ一図だけでも他に影響を及ぼすことなく鑑賞できる様になり、錯簡も正すことができた
http://www.linkweb.or.jp/~art/ より引用

今日のように老若男女で大盛況の展覧会に行くと,周囲の人の言動が時々面白いことがあります。今日も,男性が連れの女性にあれこれ話しかけながら絵巻を観ていました。別に話の内容は聞きたくもないのですが,至近距離で喋っているので当然よく聞こえます。

男性:「すごい細かいところまで書いてあるんやで。ほら,これ見てみい(と,あれこれ絵巻に描かれているものを列挙)。ほら,これも。おっ○いまで丸出しや。
女性:「・・・(応答なし)」

一瞬,どんなカップルなのかと振り向いて見てみたい気持ちになりましたが,展示物を観るのに(自分が)忙しいのでやめておきました。