巨大地震の日―命を守るための本当のこと(小説の副産物?)
- 作者: 高嶋哲夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03/17
- メディア: 新書
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本の前半は東京で大地震が起こったらどうなるか,という話がメインで,後半は日本の防災対策の現状について述べられています。
[中央防災会議」「地震調査研究推進本部」「地震防災対策強化地域判定会」「地震予知連絡会」「地震予知研究協議会」。新聞,テレビの地震報道のたびに出てくる名前だ。(中略)
どうしてこんなに似たような組織が乱立し,非効率な税金の使い方をしているのか。
1978年,大規模地震対策特別措置法,通称「大震法」が成立した。これは地震予知が可能であることを前提として,被害を最小限度にするための法律だ。(中略)この法律はまるで戒厳令なみの力を持っている。(中略)
大震法が制定されて以後,地震予知研究の予算は飛躍的に増え,地震予知計画が始められて40年あまりの間に,予算総額は3000億円を超えている。(中略)特に,東海地震は予測可能ということで多くの研究費が投入されている。
仮に巨大地震が予知可能になったとして,地震が起こることは防げないのなら,地震予知に巨大な予算を投入するよりも,地震が起こったらどうするかといった対策,あるいは起こったとしても被害を最小限度に食い止めるための技術開発にお金をかける方がいいのでは・・・と悲しくなりました。
日本は自然災害大国である。(中略)
毎年必ずやってくる台風,今後,起こりうる地震,火山噴火を含めた大災害を考えるとき,政治家,役人,学者の勢力争いや権力争いはやめにして,一つの有効で強力な組織を作るべきではないだろうか。
筆者は「日本独自のFEMAを作れ」と主張しておられます。
*1:寝る時にはつけっぱなし。