lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

大人の勝利(今日も長文)。

今日一日はこのニュースでもちきりでしたね。
トリノ五輪:荒川が逆転で金メダル 村主4位、安藤15位

トリノ冬季五輪第14日の23日、日本に待望の金メダルが誕生した。フィギュアスケート女子フリーが行われ、荒川静香プリンスホテル)が、欧米以外の選手として初めて優勝した。
ショートプログラム(SP)3位の荒川は安定した演技でフリー首位となる125.32点を挙げ、自己ベストの合計191.34点をマーク。SP1位の全米王者サーシャ・コーエン(米国)、同2位だった昨年の世界選手権王者イリーナ・スルツカヤ(ロシア)が、ともにジャンプの着地で転倒するなど乱れ、逆転で表彰台の頂点に立った。

公式サイトの結果一覧
lionusは,安藤さんの演技を見ようと,目覚ましを朝5時にかけ仮眠しようとしましたが,自分のことでもないのにドキドキして結局一睡もできませんでした。
安藤さん・・・SP同様,衣装の前評判は芳しくなかった様子ですが,編みこんですっきりさせた髪型とマッチしてそんなに似合ってないこともないと思いました。ミキティは,ギャル系の格好よりも清楚なイメージの方が合っているのではないかと思いました(例の水色衣装など)。まあつまり,案外,SPよりは見栄えがしたと感じました。
そして,冒頭4回転ジャンプに「果敢」に挑戦し,コケてしまったわけですが,見ていて「もうこれで吹っ切れるかも!」と期待しました。が,その後のジャンプも失敗が目立ち,段々途中でやけくそ気味というか「どうでもいい」感が伝わってきてしまいました。
トリノ冬季五輪:フィギュアスケート 安藤選手「五輪の舞台、素晴らしい」

ただ「五輪の舞台に立てるだけでも素晴らしいこと。4回転ジャンプに挑戦できて、すてきな思い出になった」と締めくくった。五輪後の引退を口にしたこともあったが、この日は「来年もこの曲を使って、完ぺきなマダムバタフライにしたい」と言い切った。

こうでも言わないと自分で納得できないと思いましたし,これでミキティにいい意味での欲が出てくれれば・・・とも思いました。
SP1位のコーエンさんは,ウオームアップで出てきた時からガチガチでしたね。演技に入る前のポーズで顔がアップになったとき,引きつった笑顔で可哀想になってしまうほどでした。彼女も,ジャンプ失敗で「自爆」してしまい,結局「シルバー・コレクター」の汚名を返上することはできませんでした。SPの時と同じ人とは思えなかったです。
次は「自爆」の余韻が残るリンクに荒川さんが出てゆくのか・・・と不安に思いましたが,リンクにすべり出てきた荒川さんはさすがに張り詰めた表情でしたが,どこか超然としているようにもみえました。最初の3-3のコンビネーションジャンプが3-2になってしまい,どうかな?と思いましたが,そのままきちんきちんと要素をこなし,後半有名な「イナバウアー」から3-2-2のコンビネーションジャンプをきめた直後,ちらっと笑顔がのぞきました。もうこれで大丈夫だ(メダルの色は分からないが,彼女の最高だ)と感じました。そこからは会心の笑顔が最後まで続きました。演技後半からは,あまりの美しさに思わず涙しました。観客も当日初めてのスタンディング・オベーションだったそうです。
音楽・衣装・演技,全てが完璧でした。
また衣装の話ですが,ウインタータイプによく似合う真っ青に冴えた水色というコントラストが鮮やかな組み合わせに,どこか着物(前で合わせ帯を締めているような)を思わせる「和」を上手に取り入れたデザイン。ヘアメイクもお団子髪でアイラインをくっきり引いて切れ長の瞳を強調し,東洋人的美しさをアピール。アイシャドーはパープル,リップは上品な渋いローズ系と,ウインタータイプのお手本のような色使いでした(以下写真参照)。
2月23日 荒川静香、フィギュア日本人初の金(毎日新聞・写真特集)
トリノ五輪写真特集 荒川静香(読売新聞)
これはアジアン・クール・ビューティとして海外での受けが絶対良いぞと演技終了後確信しました。結果として「金」だったことも相まって,海外メディアもかなり好意的にとりあげているようです。*1
「気品」「荘厳」「成熟した美」…外国メディアも荒川を称賛
圧倒的に欧米優勢なフィギュアでアジア人が金を獲り,このように評価されたのは本当に画期的なことだと思います。
さて・・・銅に終わったスルツカヤさんですが,ジャンプで一度転倒したのは悔やまれますが,全体的に悪くはないけれどもぎこちないというか躍動感がなくて残念でした。
また,4位の村主さんも頑張ったと思うのですが,どこか動きがかくかくしているようで,12月の全日本選手権の演技の方が良かったのではないかと感じました。
オリンピックの女神に好かれるにはどういう資格があればよいのかと,ふと悲しくなってしまいました。
・・・荒川さんには失礼ですが,オリンピックの女神に好かれたというよりも,オリンピックの女神をふんづかまえて縛り上げ,「金よ,金を出しなさい!出さないとおしおきよ!」という感じがするのはlionusだけでしょうか・・・本人の談話は「信じられない」と極めてマイペースで淡々とされていて,なりふりかまわずメダル獲りにいった!という印象ではないのですが,「女王様」的貫禄がそう感じさせてしまうのかも(笑)*2・・・が,酸いも甘いも噛み分けた大人の勝利という感じでとても嬉しいです。

*1:すんません,直接英語は読んでません;孫引きです。

*2:キスクラでのPB出た後の「うおー」という漢らしい歓声の印象も強いかも。