lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

半減とは悲しい。

日本心理学会公開シンポジウム 事故と安全の心理学を聴講してきました。
公開シンポジウムという性格上,心理屋だけでなく一般の人にも理解してもらえるような,割合分かりやすい内容で,物知らずのlionusも勉強になりました。
最後のディスカッションでは,安全管理に関わる仕事をされておられる方がフロアから質問なさっていました。その中で少し驚いたのが,

(自分は心理学はよく知らないと前置きされた上で)
心理学は個人を研究する学問だと思うが,個人を研究する学問が(会社などの)組織についてどう研究していくのか。

という質問があったことでした。
聞いた瞬間,「心理学=臨床心理学」という図式になっているのか?と思いましたが,回答なさっていた先生は,

  • 意識や自己などを問題にする心理学もあるので,個人を対象にしているのが第一だと思う。
  • しかし,個人が集まって集団になると1足す1が3になるとか,3人でないと起こり得ない事象(例:漁夫の利)などがあるので,組織を研究する心理学(つまりグループダイナミクス社会心理学)もある。

といったような趣旨のこと(逐語記録でなく記述は不正確ですが大体こんな感じ)をお
っしゃっておられました。
lionusは社会心理学にはほとんど詳しくないですが,このフロアの方のような疑問を感じたことがなかったので,新鮮でした。
ところで,シンポジウムの会場は満席で人いきれのせいか部屋もやや暑かったくらいなのですが,休憩をはさんで最後の「災害時のボランティア活動(阪神・淡路大震災以降の話)」が始まると会場の人数は半減し,部屋の温度もぐっと下がってしまったような気がしました。阪神・淡路大震災から10年経ち,大阪(関西)でも震災のことはもう関心が薄れているのかと悲しくなりました。また,講演の先生にも失礼ではないかとも少し思いました。