lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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サターン 土星の心理占星学(土星本。)

昨年秋くらいに買って,そのまま置いていた本を読了しました。

サターン 土星の心理占星学

サターン 土星の心理占星学

書いてある内容を字面だけでなく理解できる読者はどれだけいるのだろうと思いました。そもそも精神分析とかユング心理学をしっかり理解していることを前提として書かれているようなので,実際の占星解釈に落とし込むことのできる人というのはかなり限られていると思います。
占星+ユング心理学=心理占星術は,ともすると衒学的です。それと分かってやっている分には楽しいですが,精神的な悩みの深い人*1には諸刃の剣です。ひとつ間違うと電波というか脳内妄想というか。自分の問題をチャートに投影し現実逃避するケースはあちこちでよく見られるものです。
チャートを媒介に話し合うことは非常に有用ですが,全てを星に還元するのはよくないです。現実世界とのバランスが必要です。*2
ところで。
本文はもちろん興味深く読みましたけれども,訳者あとがきの記述にたまげました。

十代半ばのころだったと思うのだが,ハワイの占星術専門書店で,書架を埋め尽くす占星術関連書に圧倒されながら,どれか推薦していただけませんかと店員の方に恐る恐る尋ねたのが,グリーンとの出会いであった。
当時日本では入手が難しかった天文暦とともに,薦められるままにグリーンの書*3を,僕は親にねだって手に入れたのだ。

さ,さすが鏡リュウジ先生。「栴檀は双葉より芳し」です。

*1:いわゆる2ちゃんねるでは”メンヘル”と呼ばれるような人たちもこれに入るかも。

*2:本当に病気なら医療が必要ですし。

*3:つまり,この本。