lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

4回生のゼミに客として行ってみました。

一緒にデータ採りをしている4回生と現在の指導教授であるI先生を一網打尽*1にしようと,昨日,4回生のゼミにアポ無し訪問してみました。
1名が発表してディスカッションする,という形ではなく,複数人が卒論の発表&ディスカッションという形式でした。
その中で,神戸の少年A(いわゆる酒鬼薔薇)についての発表がありました。
巷に出版されている本やら雑誌,web上の記事をまとめ,なぜあんなことをするに至ったのかということを精神病理学的にまとめているものでした。
感想はただひとつ。
象というものを全く見たことがない人たちに,「象というのは,鼻が長くて,耳が平べったくてとても大きくて,四足で,皮膚がしわしわで・・・」というように,言葉で部分部分について一生懸命説明を羅列していく様を連想しました。そんなまどろっこしいことをするより,「これが象です」と象を連れてくるとか,写真を見せるとかしないと駄目でしょう。百聞は一見にしかず。
酒鬼薔薇について,いくら本を読んでもwebや記事を検索しても,それはあくまでも二次情報であり,他人のフィルターを通しているという点で,NGです。様々なバイアスがかかっている情報を断片的に集めても,ひとつの「象(像)」には成り得ません。
まあ,評論家的に酒鬼薔薇を考えるなら,それで十分かもしれないし,そうするしかないでしょう。実際に”象(酒鬼薔薇)”さんに会ってお話を聞くことはできませんから。
しかし,心理学の卒論としてこういうことをしようと,もし彼女が考えているのなら,ヤバイなぁと思います。学校によって方針の違いがあるのかもしれませんが,私の知る限りでは,心理と名のつく学科では,実験とかアンケート等手段は様々なれど,自分でデータを集め,分析し,その結果から何かを主張する(結論づける)というのが卒論の定石です。
はぁはぁ。
珍しく鼻息荒く語ってしまった。
こういうことは本人に直接言わないと駄目なんだけどね。

*1:データ収集について3人で相談しないといけないことがあり,ゼミに行けばこのふたりに会えると思った。