lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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潜入ルポ 東京タクシー運転手

潜入ルポ 東京タクシー運転手 (文春新書)

潜入ルポ 東京タクシー運転手 (文春新書)

学生の頃京都でタクシー運転手として働いた経験のある著者が,東京でタクシー運転手して2つの会社で働いてみた「潜入ルポ」です。
lionusは日頃タクシーを使うことはほとんどありませんが,客個人としての立場からは,タクシーに乗るのがちょっとこわくなりそうな記述もあります。

p.44 余談だけれど,高速道路をタクシーで走るのって,実は,ものすごく神経をつかう作業なのである。

p.88 タクシー仕様車は(一般の乗用車と同じ仕様の個人タクシーを除けば)一般の乗用車と形は似ていても性能があらゆる面で劣っている。それは要するに,運転に意識を集中させなければならない度合いが一般の乗用車よりもはるかに大きい

前段は,「タクシータイヤ」は安かろう悪かろうで,そんなタイヤを履いて一般車に交じってガンガン高速を走るなんて・・・(俺はコワいよ;でもそんなこと分かっていなく気にしてない運転手多過ぎじゃね?)という話につながるのですが,後段については,そもそもタイヤだけでなくタクシー仕様車とはこういうものとは知らなかったので,えええーという感じでした。
しかも,本書では経営環境の厳しさがタクシー運転手にしわ寄せされている現状が描かれており,したがって空車タクシーの運転手は「客を拾うためなら何でもあり」という傾向に至っているといいます。つまりは,「客を拾うためなら」危険運転も辞さない場合もあるということです。
今後ますます「貧すれば鈍する」のような状況に,タクシー運転手(タクシー業界)がなっていかないことを願いたいのですが,どうなんだろう・・・と思わせられました。