独占禁止法と日本経済
- 作者: 後藤晃
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2013/12/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
経済学者による,独占禁止法が日本経済のありようにどのように関わってきたのか,ということについての一般向けの本です。
主題というか本筋とは別の,瑣末なところですが,「メリット」という言葉の意味について印象に残りました。
p.79
何が違法で何が適法かについての判断を行う際に基本的な概念として用いられるのが,「メリットに基づく競争」という考え方である。日本ではメリットという言葉は「これはどういうメリットがあるか」とか,「メリットとデメリット」といったような用いられ方をすることが多い。本来は少しニュアンスが違う。メリットというのは,人でいえばその人はどの程度できるか,ということである。メリトクラシーというのは,国の制度で,親の七光りとかコネとかではなく,できる人,能力のある人が国の指導者になっていく,そういう制度である。