就活難民にならないための大学生活30のルール/大学生のための「学ぶ」技術(気軽に読めるので、ぜひ2冊セットで。)
- 作者: 常見陽平
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 常見陽平
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2012/03/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まず1冊目は、導入の第1章に続いて第2章で「学生の本分は勉強だ!」とびっくりマーク付きで示されたので、へえと思いました。
小手先の「シューカツテクニック」ではなく、学生の本分=勉強の充実を前提として、課外活動や生活全般を主体的に充実させていくことを説いています。
主体的に行動するための”マニュアル”とは、何だか矛盾していなくもないですが、精神論と具体的ノウハウの中間に位置する内容のように見受けられるため、やはり主体的に行動しようとする気持ちがないと、本書の内容は活かせないと思いました。
2冊目は、1冊目でドーンと出してきた「学生の本分は勉強だ!」を実現するためのあれこれを提示しています。その他にも、現職の大学教員からみた「いまどきの大学生」についての率直なコメント(インタビュー)が掲載されていたり、「採用担当者がこっそり教える、イマドキ学生の評価」が「はみ出し情報」としてページ余白に載っていたりして*1、ちまちまと面白いです。
これらの2冊は、一流大学を出て大企業に就職・転職し就職コンサルタント/ジャーナリスト、大学非常勤講師、そして2冊目執筆時点で社会人大学院生という多彩な経歴をもつ著者ならではの内容と拝見しました。
それなりに大学生活を謳歌し「就活」に成功(だと思うのね)したかつての大学生としての視点、会社員(新卒採用担当経験もあり)としての視点、コンサルタント/ジャーナリストとしての視点、そして非常勤講師として大学で教える側からの視点、さらには大学院生=研究者の卵としての視点も加わるなど、内から外から多面的に「大学」というものを見てこられた上で書かれているため、かなりバランスが取れているのではないかと感じます。
教員側からのこういう本
「優」をあげたくなる答案・レポートの作成術 (講談社文庫)
とか、”戦略・戦術”を説くことを通じて、ちゃんと勉強していいレポートや試験答案を書いてね!という呼びかけもあるのですが、大学の外も経験した著者が
2冊目p.205 「大学生にもっと楽しく勉強してほしい」
そんな思いから、私はこの本を書きました。
2冊目p.206
大切なのは、次の社会を担う学生が、まともな大学生活を送ることができるかではないでしょうか?学生生活を謳歌し、思う存分勉強する。いつも、それを阻害しているのは就活だという話になりますが、それだけが問題ですか?そもそも勉強のやり方も教えられず、普通にやっていれば何の付加価値もなく、なんとなく大学を卒業したことになってしまう仕組み自体が問題ではないでしょうか。
そして、日本の、そして世界の未来のために日本の学生はもっと勉強してほしいと書いておられるのを見て、しみじみと重いものを感じました。
*1:1冊目にも同様な「はみ出し情報」がある。