会社・役員の民事・刑事責任とコンプライアンス法務(ふたつの内部統制システムを弁別して書かれている。)

会社・役員の民事・刑事責任とコンプライアンス法務

これもやはり，コンプライアンス＋法務というキーワードが気になって借り出しました。
コンプライアンス≒内部統制システムという立場で書かれていると拝見しました。「内部統制システム」は会社法上の内部統制システムと金融商品取引法上の内部統制システムの2つがあり，それぞれ目的と内容は違う，ということを明確に説明されているのはすっきりしました。本書の出版は2011年ですが，それより前の，会社法や金融商品取引法が施行された前後に出ているコンプライアンス本には両者の区別をはっきりさせないまま書かれているものがあるように思います(そのため読む側もん？ん？と判然としないまま読む場面もあった)。本書の大半はコンプライアンスに関係する法令の解説が沢山で，会社の中の人の参考書としてはよいのかなと思いました。