ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場(同時期に同じくHBSで学んだふたりの対照的な「体験記」。)
以前、岩瀬大輔氏のハーバードビジネススクール留学記を読みました。
同じ時期に同じくHBSで学んだイギリス人による体験記も読んでみました。
- 作者: フィリップ・デルヴス・ブロートン,岩瀬大輔,吉澤康子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/05/21
- メディア: 単行本
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岩瀬大輔氏は筆者とHBSで交流があり、本書の監訳と解説を書いておられます。
p472
私自身はというと、外資系投資ファンドの東京支店から渡米し、資本主義のメジャーリーグに乗り込んできたという浮かれた気分で二年間を過ごした。快進撃を続ける金融機関の姿に熱狂し、ビジネスという定量化できない人間の複雑な営みを科学として分析・説明しようとする米国流経営学の野心、そしてビジネスの分野を超えて世界を変革するリーダーを育成せんとする、その壮大な使命感に心を躍らせたものである。他方で、お祭り騒ぎの飲み会からは次第に遠ざかり、フィリップのような人間を自宅に招いて食事をするのが好きだった。いつもどこかで、本書が指摘している居心地の悪さを感じていたが、それにはっきりと気づくことはなかった。本書を読んで、自身のナイーブさと健全な批判精神の欠如を思い知らされた。
この2冊は明暗というか光と影か、非常に対照的な「体験記」です。併せて読むことをおすすめします。