心理会計学(「会計心理学」ではなくて「心理会計学」。)
- 作者: サラ・E・ボナー,田口聡志
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2012/04/07
- メディア: 単行本
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結構分厚い本ですが、原著第7〜9章については割愛されています。
「心理」とついていますが、「監訳者あとがき」にある通り「あくまで会計学の文献」であり、その点で(会計学の知識がない)lionusには読むのは結構骨でした*1。
一言でいうならば、会計における判断と意思決定について心理学の知見と方法を適用した研究のまとめ教科書というところでしょう。
(第7章 結論 より)
p314
全体として、JDM*2の決定要因に関するたいていの知見が心理学のものと似通っていることは、つまらないと思われるかもしれないが、2つの理由で、どの会計人が「普通(normal)」であるかを証拠付けることは大変に重要であった。
会計人が「普通」である場合(部分)と、そうではない場合(部分)とを弁別するということが、この手の研究をする意義なのだなと思いました。
訓練された専門家も「普通」の人と同じ認知バイアスをもつこともあり、反対に、一般的な心理学的知見とは異なった反応を示すこともあり、ということですね。
そういうことについて知見を蓄積していくことは会計学のみならず心理学にも貢献する、と続いて述べられています。