(図解でわかる部門の仕事) 改訂版 品質保証部(コピペ発見?)
- 作者: 永原賢造,村上義司
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2010/01/23
- メディア: 単行本
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品質コストとは、
企業が推進する品質管理活動や経営そのものの質を、費用対効果という側面から判定しようとする。
ものだそうです。
品質コストは次のように分類されます。
- 予防コスト:有効な品質保証・管理システムを設計、実行、維持していくためのコスト(品質計画、工程管理、品質訓練など)
- 評価コスト:原材料および製品が適合品質標準に合致することを確保するためのコスト(購入材料の受入検査、点検作業、品質監査、技術評価など)
- 内部失敗コスト:品質標準に合わない原材料・製品から生じるロスの製造原価。ただし、製品出荷前に発見されたものに限られる(スクラップ、再作業など)
- 外部失敗コスト:低品質の製品を顧客に出荷したために生じるコスト(アフターサービス、苦情処理、製品リコール、製造物責任など)
品質コストを測定して得られる効果として、
が指摘されています。ふむふむ。
さらに、
品質管理・品質保証活動を推進するプロセスで発生する費用である予防コストおよび評価コストと、これらの活動が不備ないし不調であったために企業が被る損失である失敗コストとはトレードオフ関係がある。
と書かれていて、なるほど確かに、品質保証するために努力すればするほど、失敗は減るもんな・・・と読み進めて、ふと止まってしまいました。
品質コストが分析の基礎に置いている、予防および評価コストと失敗コストのトレードオフ関係を示したものが173頁の図である。この図は、伝統的な品質コストの議論においては必ずといってよいほど引用されるものであるが、実はこの図が誤解を生む元凶といえるのである。
この「図」とは、http://www.f.waseda.jp/yito/qc02.htm にある図と同じものです。
この図の予防コスト+評価コストと失敗コストが均衡する「経済的適合品質水準」が費用対効果の点から最適な選択だ、と判断することが、「誤解」だと指摘されているのです。
なぜ「誤解」なのかlionusには一読してすぐには飲み込めませんでした。
いうまでもなく、品質レベルの最終目標値はトータルコストが最少となる点ではなく、不良率がゼロとなる点でなければならない。(中略)コスト最適な品質レベルを超えてまで失敗コストを引き下げる必要はないと示唆するとしたなら、明らかにこれはTQC*1・TQM*2の理念に反するといわなければならない。
これは理解できますが、続く
注意すべきは、損失とコストはけっして同じものではないということである。
ここからが分かりませんでした。
しばらく考えてみて、失敗コストは失敗そのものへの対応に必要なコストであり、例えば、まずい製品を世に出したことによる評判(ブランドイメージ)の低下による「損失」は含まれないからなのかしら・・・と自分を納得させてみました。
でもそれでいいのかしらん。
やっぱりすっきりしないので、ネットで検索してみたら、上記のhttp://www.f.waseda.jp/yito/qc02.htm に行き当たり、このページの「(1)「品質コストの考え方は、TQC・TQMの基本理念に反する」という誤解」の箇所と、本書の記述が酷似(である調に直されている以外ほぼ同じ)していることに気付きました。
本書には「コピペ」されていなかった続く(2)以降を読むことによって、一応自分の無理やり納得理解は正しそうだと思いましたが、何とも後味の悪いことでした。