lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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「大発見」の思考法(母音「e」は好奇心のしるしか。)

「大発見」の思考法 (文春新書)

「大発見」の思考法 (文春新書)

2008年ノーベル物理学賞益川敏英先生と,iPS細胞の山中伸弥先生の対談本です。
双方のご研究のお話や,研究生活について楽しく対談されている素敵な本でした。

(益川先生)
ふだんは僕は,頭の中で数式と遊んでいるだけ。難問を考えるのが,楽しくてしかたないの。僕にとっては,物理も数学も天文学も子供のおもちゃみたいなもの。一生をかけて遊んでもらっているという気がします。

本書の中では,自分の専門だけでなく色々な分野に好奇心旺盛なことをうかがわせる発言がいくつも出てきます。
ただし,あれこれ広く浅くつまみ食いする,ふわふわうろうろの凡人とは異なり,専門の研究に関しては

僕は挫折するタイプじゃないの。挫折するということは,「これ,本当にできるかしら」と半信半疑でものごとに取りかかって,結果,うまくいかないから挫折するんでしょ?
僕はそうではない。「ちゃんとできるかどうか」を評価してから取りかかります。つまり,「これは難しいぞ」という問題には手を出さないわけ。

やみくもに取りかかってダメだった,なんてことは,僕には起こらない。

ばしっと首根っこを押さえておられるところが決定的に違います。

僕は臆病なのね。用心深い。

などとおっしゃっておられますが,益川先生の場合,「僕は挫折するタイプじゃないの」は,つまり,「僕は挫折しない」ということですから・・・いやいや,凄い人です。
ところで,この記事のタイトルは,某掲示板で独自の占いをされておられる方の理論で,名前(特に姓名の名の方)に母音「e」が含まれる人は知的好奇心旺盛で,あれこれ考えが広がる,「知ったかぶり」をするタイプということから想起しました。
益川先生の名の読みは「としひで」で,「e」が含まれているなあ〜と読みながら思い出していました。