組織を強くする技術の伝え方(教えっぱなしは無責任なのですが・・・)
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/19
- メディア: 新書
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技術を正しく伝えることができたかどうかは,結果として生じたものが,伝えようとする中身とほぼ同じになっているかどうかで決まります。伝える側が,いくら「伝える」という動作を必死になって積み重ねたところで,結果として伝わっていないならば,それは「伝えた」ことにはならないのです。
ははははは。技術に限らず,(講義する)知識についても同様で,耳が痛いです。
多くの場合,伝える側は何かの方法で技術を伝達したら「これで自分の役割は終わった」と思い込んでいます。自分は正しい方法できちんと伝達したので,理解できないのは相手の責任と考えているのです。しかし,前述したように伝わったかどうかは相手が伝えた内容と同じ行動を取れているか,その結果でしか判断できません。だからきちんと結果を確認することは伝える側の大切な役割なのです。
その結果がよければきちんと褒めること。そして結果が悪ければ,なぜ伝わっていないのか,これは相手の問題だけではなく,伝達する側にもなんらかの問題があることが多いので,きちんと検証することが必要です。
某非常勤先の講師控室で,他の先生方が,学生がいかに「出来ないか」についてこぼしあっておられ,lionusもひそかに同感してしまいましたが,上記のような考えを常に心の底に置いて日々活動しなければいけないと,自戒の念が湧きました。
ストレス(挫折)からの回復(力)について興味があるので,「失敗学」で知られているこの著者の本は一度読まねばならないなあと以前から思っていました。他にも沢山著書があるので,全てを読むのは難しいですが,新書からでもぼちぼち見ていきたいです。