ヤクザに学ぶ組織論(生存競争に勝ち抜くための方略のストレートさ。)
- 作者: 山平重樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/01
- メディア: 新書
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ヤクザ三大組織(山口組・稲川会・住吉会)の生き残りの秘訣として「強力な組織力」を著者は挙げています。
- 本部のトップを頂点に,二次,三次団体を包括して明確な二等辺三角形を描く完璧なヒエラルキーの体系;徹底した上意下達
- 命令への違反者に対しては物理的暴力をも含めた応分の罰則が用意されている;いわば「恐怖による支配」
- 罰則の度合いが「攻め」の組織意思よりも「守り」のそれに違反した際,より強度なものとなる(「パワー・オブ・バランス」を乱すことは厳禁)
以上強いヤクザ組織の特徴を3点挙げ,
特徴の最初に指摘したヒエラルキーの体系は徹底した合理主義に基づいたものであり,二つ目の恐怖による支配はこれと対立する非合理主義,三つ目は仮に合理的非情主義とでも名づけられるものであろう。ヤクザの組織とは,実をいえばこの相対立する三つの「原理」の組合せを基盤として成り立ち,対立する原理の緩急自在なコントロールによって強靭な組織力は培われているのである。
と,考察しています。
過酷な生存競争に勝ち抜くための方略は極めて研ぎ澄まされたものであると思いました。