無防備な日本人(プロテウス的人間。)
- 作者: 広瀬弘忠
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02
- メディア: 新書
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プロテウスとは,ギリシア神話の海神だそうで,
他の物に変身する能力をも有するため、捕まえること自体が至難の技である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A6%E3%82%B9
変幻自在に姿を変え正体をつかませない性質があるそうです。
いつ災害に出会うかわからないリスクに負けないためには,変幻自在の「プロテウス的人間」になるのが有効だと論じています。
己の利益(生存)のためなら180度の変節や裏切りも辞さない「プロテウス的人間」の典型として,フランス革命時の活動家フーシェとタレイランを例に挙げています。
少々筆の走りすぎではないかと思いもするのですが,
将来における,より多くの見返りを期待して犠牲的な愛他行動を起こすとすれば,先の先まで読んだうえで徹底的に利己的であろうとするプロテウスによって作られるプロテウス社会は,愛他的行動で満たされることになる。
同じ戦場でともに戦った戦友たちが,互いに強い絆で結ばれるのも,生死の境で命をかけた愛他的な協力関係を築いたからである。とすれば,苦しいサバイバル競争をともに戦ったプロテウスたちが,互いに固い友情で結びつくことがあるのも不自然ではない。フーシェにしてもタレイランにしても,親身になって助けてくれた友人や協力者がいなければ,幾多の危機を乗り越えて,その都度サバイバルをはかることはできなかったのである。
こう書かれると,ふーむと態度留保したくなります。