lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

lionusの使い道?

本日は月1定例の保健所仕事(発達関係)に行って参りました。
心理仕事ですから,ケースそれぞれのお話をネット上の日記で書くことは控えていますので,この仕事に関してはあまり言及したことがありません。
本日も,定例通りお仕事させていただいたのですが,この仕事でlionusに割り当てられるケースにはもしかすると何か一定の傾向が出てきているような気がしてしまいました。
その傾向とは,(もちろん全てではありませんが)子どもそのものの発達アセスメントというよりは,お母様への助言というか,ムンテラ的な対応が期待されるようなケースが多いのではないか?ということです。
本日も大体そんな感じでした。
保健所仕事ですから,多彩なケースに出会うのですが,そのようなケースの特徴としては,まず,子どもさんの年齢が比較的高いです。3歳半検診以降,でも発達障害で経観(通所とか)されているわけではないので,4歳後半〜5歳,時に小学校入学前の6歳児ということもあります。
ツールとしてはK式を使っています。K式を形式通り(駄洒落じゃないですよ!)施行しますが,子どもさんには基本的に精神発達の遅れを認めることはありません。
と,なると,母子関係というか,育児相談の領域になっていくのですよね。
lionusは独身ですし,当然,子どもを産んだことも育てたこともありません。しかも,発達は専門ではありませんし,元来子どもが苦手な人間で,Mの時に保健所仕事をせよと指導教授から指令が下った際,正直かなり不安でした。現場に徒手空拳落下傘降下させられ右往左往奮闘しました。
(lionusが担当している)保健所仕事の主要なものは発達スクリーニングなのですが,それと同じく重要な育児相談≒母子(親子)関係は,年齢差(大人と幼い子ども)があるといっても人間対人間の問題ですし,母子関係の悩みには,しばしばお母様の個人的な素因(悩み・問題)が色濃く影を落としている,いや,あるいはそれにかなりの部分起因する要素が大きいようにも感じています。
別な言い方をすれば,お母様の考え(スキーマ)をちょっと変容することにより結構happyになれるようなことも多いのではないかという印象があります。
というか,目の前で子育てにおける日常的な「困りごと」をマシンガントークで訴えられて,どうしようどうしようとうろたえながら返す言葉は,そういった方向性に自然となってしまうのですね。そして,うろたえながら返す言葉の源泉は,学習心理学とかだったりするのに改めてびっくりしてしまいます。学部時代に授業で教わった無意識とか何とかいうのは敵さん(?)が目前にいる「最前線」ではまだるっこしい「無用の長物」なのでした。*1
門前の小僧よろしく何となく知っていた学習心理学的知識をベースに子どもさんの行動を解釈(説明)し,望ましい対応についても同様に説明(翻訳)する。そして,子どもさんの行動がメタな次元からどういう意味を持つ可能性があるのか,さらにお話しする,と。
場合によっては,今の状態は一生続くわけではないし,とか,小学校中学校,大人になったら・・・みたいな話をしたりもします*2
そうすると,お母様は”目からウロコ”とか,”毒気を抜かれた”,”肩の力が抜けた”,”何だかアホらしくなった”,”何だか気が楽になった”等々,面談後フォローの保健師さんに感想を述べて帰られるそうです。
・・・
以上のことは,lionusがスクリーニングというかプライマリの場でしか仕事をしていないから,ぬけぬけとほざける事なのだと思います。
セラピストとして,シリアスなケースに継続的に関わっていくことをしていないのですから。
lionusは,究極のヘタレですから,とてもではありませんが,そういった場(ケース)の真っ只中に飛び込んでゆく勇気も気力もありません。
しかし,時々の保健所仕事で,客観的(統計的)には問題ないのだが,ちょっとしたボタンの掛け違えで少々ややこしいことになっているケースの改善のきっかけになっていたら,個人的にはとっても幸せだし,そのきっかけをもたらす要素としてlionus猫を善用してもらえれば有難いと感じた次第です。

*1:もちろん,無意識とか何とかが有用で活躍する場があることは理解しております。

*2:例えば,小学校高学年とか中学生にでもなり色気づいたら爪も噛まなくなりますって,とか。無責任モード全開すみません。