lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

先延ばしは甘い罠。

第8回「多重債務に陥る人」を、経済学ではこう考える小島寛之の「環境と経済と幸福の関係」
経済学に関したエッセーです。lionusは経済学には全くもって疎いので、読むときにはかなり腰をすえる必要があるのですが、なかなか面白いです。
上の記事では、「時間割引率」という考え方が紹介されています。

簡単にいうとそれは、「1より小さい割引率をそれが手に入るまでの年数の分だけ掛け算する」、という計算方法だ。
例えば、今すぐに手に入る10万円と1年後に絶対確実に手に入る15万円のどっちか一方だけの選択を迫られた場合、あなたは1年後の金額に「あなた固有の」割引率を掛けて、現在の価値に直して比較すればいい。あなたの割引率が0.8なら、15万円×0.8=12万円が1年後の15万円のあなたにとっての「現在の価値」だから、あなたは1年待つことを選ぶのだ。(ちなみに今は、預金利子率の存在は無視している) 。

しかし、人間の行動はしばしばこの「時間割引率」では説明できないことが明らかになったそうです。
そこで、「双曲割引」という考え方が提唱されるようになったということですが、こちらはきちんと説明しようとするとなかなか複雑なようで、記事中ではお勧め本が紹介されています。
記事ではごく簡略化した例で「双曲割引」の考え方が紹介されているのですが、lionusが面白いと感じたのは、物事を先延ばしするのは、「双曲割引」で先のことほどコストを甘く見積もるからではないかと思ったからなのです。
もしかすると曲解している可能性もありますが、挙げられていた多重債務者の研究と同様なお話だと理解しました。