lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

人間関係があるから言えることがある。

月1の研究会に参加してきました。今回は,授業実践報告もさせていただきました。
この日の様子は,mkawanoさんの6月12日の記事にもあります。lionusの報告についてもコメントくださり,どうもありがとうございました。
少しこちらでお返事させていただきます。

「講師一人で教えないといけない状況になり、動画教材を作って学生に閲覧させた」

以前からその学校では,TA・SAはついていませんでした。それでも何とか従来型の授業が成立していたのですが,それが成立しない状況が起こった(起こることが予想された)ため,動画による各自作業メインの方法をとった次第です。

動画に、一時停止・再開機能をつけるのは、一種のインタラクションでいいなぁと思った。一方で、垂れ流し(しかも操作全部)をしているという別意見もあり、方法をいろいろ検討する必要があるなと思った。

Y先生と私は同じソフトを使っていることから推測すると,作業の流れを小さく分割せず,丸ごと1つの動画ファイルとしてしまうが,動画画面の下に一時停止・再生および早送り/巻き戻しが可能な操作バーがコンパイルの際にくっついてくるので,純粋な流しっぱなしではなく,学生が自由に操作できる状況だと思います。

ただ、「それって前で先生がするのを見るのと何が違うの?」という疑問もわく。ひとつの画面を見るのか、教員のほうも見ながらやるのか、という違いはあるが、理解度にどの程度影響があるかどうかはわからない。

ついていくだけで精一杯,何やったか訳分からんということも多いように感じます。リアルタイムで教員がモデルを示し指示する従来型の授業とどちらが理解度が上かは分かりません。検討の必要性はあるが,何をもって理解したとするのか,その測定方法から考えないといけません。

あと、lionusさんのコメントにある「パーソナリティ」とは、実は教育者側の方が重要じゃないだろうか。教員のパフォーマンスと、映像の効果、どちらが教育上効果的か難しい問題だ。

教師は役者でもあるとどこかで読んだ気がします・・・教師のパーソナリティやキャラクターといった要素が学習過程に正の影響があると考えるのはロマンがあります。多くの場合,正の影響よりは負の影響の方が目立ちやすい気もしますが(苦笑 人格により陶冶するっていうのは教師の理想像のひとつなんですけどね〜

あと,報告後思いついたこと:「従来型授業はシリアルアクセス」「動画で自学自習授業はランダムアクセス」
書き始めたら「少し」でなくなってしまいました。長文乱文失礼致しました。

後は,他の方の発表について:

  • 「情報」は連携することができる教科である
    • 「情報」という言葉の意味の定義から始めたいお話だな〜と思いました。
    • 「コンピュータはどこにもあり,どこでも使われている」し,コンピュータは汎用的に使える便利ツールである,ということが,他教科との連携を主張する土台なのだと思いますけれども,裏を返せば,『じゃあ,各教科に「情報」をそれぞれにマッチする形で吸収合併したらいいじゃん』ってことにはなりませんかね。
    • 「心を持たない人間はいないし,人間のあらゆる活動には心が関わっている」と言って,心理学が他教科(他学問分野)との連携を主張する風潮というのはあまり無いように思います(連携してないとはいいません)。心理学は他分野の方法論を必死に取り入れつつ,「心*1」を対象に研究をしてきて,それなりの独自性を確立しています。「情報」で扱う「情報」とは何なのか。それを明快に示せたら,他教科との連携あるいは,他教科からの尊敬が得られるのではないかと思います。
    • I先生のご指摘は「お前の言うとることは上っ面をなめてるだけやないか!」的ちゃぶ台返しを見るようでしたが,これはお互いによく知っておられるから出来ることなのだと思いました。
  • プロダクト開発における事例発表の価値について
    • 残念ながら,発表の内容はlionusには理解しかねました。何を狙いとしておられるのか,結論(提案)は何なのか,ぴんときませんでした。
    • 学会等アカデミックな場での,ある一定の作法にのっとった事例発表は「つまんない」し,結局「それってどうなん?」と腑に落ちずモヤモヤ感が残る。そんなお行儀のよい言い方ではなく,もっとぶっちゃけた言い方をして欲しいって感じなのでしょうか。やっぱり分かってないなぁ。>自分。
    • lionusの理解では,事例発表をする意義は(a)具体的事例から一般的法則を導き出す(推測する,少数事例を叩き台にし,普遍性へのジャンプを意図している),(b)従来のパラダイムでは説明できない,珍しい事例を挙げ,既存の理論に一石を投ずる,ってことがあるのではないかと思っていましたが,ううううん。

*1:色々言い方は分かれるとおもいますが,一応こう呼びます。