マンガでわかるナースの統計学 -データの見方から説得力ある発表資料の作成まで-/マンガでわかる統計学(苦いコーヒーをコーヒー牛乳にして飲む。)
マンガでわかるナースの統計学 -データの見方から説得力ある発表資料の作成まで-
- 作者: 田久浩志,小島隆矢,こやまけいこ,ビーコム
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2006/05/26
- メディア: 単行本
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マンガなので気楽に読めます。
mkawanoさんは,最終章「第8章 発表のコツと発表資料の例」を特に評価されておられますが,その前の最初から最後まで,問題設定からデータの集め方,データの分析方法(統計ソフトのhowtoではなく,××はどんな統計手法で何に使えるのか,そして使う際の留意点など)の説明は非常に優れていると思いました。
個人的には,類書の
- 作者: 高橋信,トレンドプロ
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 単行本
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カイ二乗検定やt検定などの基本的な手法にとどまらず,入門書なのに多変量解析にも言及しているところがスゴイです。これは,やはり「ナースのため」故と思いました。
看護師も研究しないといけないというプレッシャーがあるけれど(そういう風潮のようです),そもそも研究の仕方が分からない。しかし,研究手法以外にも勉強しないといけないことが山盛り(だって本職は看護そのものですから)。そんな超余裕のない人用の本ですから,分かりやすいのは当然の結果でしょう。そして,分かりやすいだけでなく,多変量解析にまで触れているという内容の充実度については,医療系の研究発表では,多変量解析のような高度な手法がバシバシ使われていることがしばしば,というか,使わないといけないというプレッシャーが背景にあるように感じます。つまり,基礎となる教育を受ける機会(余裕)があまりないのにも関わらず,むんずかしいことをやらねばならぬという「肩肘張る」雰囲気がある印象です。
ちなみに,この記事タイトルの意味は,苦いコーヒー(=統計学)をミルクと砂糖たっぷりのコーヒー牛乳(=マンガ統計学)にして飲みやすくすることの例えです。
マンガといえどもさすがにお勉強ですから,コーヒー独特の風味はよく味わうと残っていますが,とりあえず初心者でもおいしく飲めるという感じです。
*1:絵が萌え系で苦手とかそういう理由ではなく,説明スタイルの全体的な印象です。こちらは立ち読みのみの印象なのであまり信用しないで下さい。