lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

JSiSE全国大会1日目。

今日は午後からのワークショップのみの日程でした。
「大学新入生を対象とした教科「情報」に関する知識調査」を聴講してきました。
自分も、ほぼ同じアンケート項目で調査を実施したところがあるので、そのデータと大規模調査データの傾向が一致するかどうか興味をもって聴いていました。

  • 「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会への参画態度」のうち、「参画態度」項目の正答率が一番低かったのは少々意外でした。

id:mkawanoさんが報告の傾向をざっくりまとめられています

討論の部分は聞けなかったのですが、報告の部分だけ聞くと、「とりあえず多少の効果はあったよ。実践、つまり操作に関してはね。」という風に聞こえました。まったくないとはいいませんが、たぶん専門外の人たちからは、「教科『情報』の効果ってそんなもん?」としか見えないような気がして、ちょっと不安でした。

討論では高校の先生も発言されたり、なかなか活発でした。
高校の先生と大学の先生との意識の差は大きく、二者の間には深くて広い溝が横たわっていると感じました。

  • プログラミングを(教科「情報」の授業の中で)やって欲しいと言われても、学習指導要領には書いてないから・・・
  • 知識が定着していないという結論に対し→「高校は(本来)大学の準備をするところではない」「大学入試で問われるなら準備しなくてはいけないと思うが・・・」「入れた後で”高校で勉強していない”と言われても・・・」
  • 学習指導要領を橋渡し役とすることが必要:高校はそれにのっとって授業する/大学は高校で何をやっているのかという認識をもち、その上で大学での授業を計画・実施する
  • 知識だけでなく操作についても、1年の授業でやってそれっきり、だから忘れてしまうのも当然。
  • 教科「情報」の教員養成(促成栽培?)の問題もあるのではないか(と、M先生吼える)。
  • あと、最近の基礎学力の低下問題も忘れてはいけない。「何で定着していないの?」→情報だけの問題ではないし、そもそもベースとなる基礎学力自体が低いのではないか。
  • 「教科「情報」を悪者にしないでほしい」by TS先生
  • ”情報”と名のつく学部・学科は志望者減少傾向(知らなかった)、一方、情報分野の求人は多い→必要な人材が育成できていない、小・中・高までの(コンピュータを用いた/情報の)授業が魅力的ではない?
  • 「魅力的な「情報」を作っていきたい、いかなくてはならない」というまとめにて大団円(?)。

話は変わりますが、会場に意外な人がいたので声をかけてしまいました。
lionusの先輩にあたる実験系(生理)の人です。学科も学年も違うのですが、研究とは関係ないバイト(TA等)で接点がある人でした。向こうは私を認識されてない筈だったので、共通の知り合いをネタに自己紹介させていただきました。
せっかくなので夕方からのウエルカムパーティにも来ていただき、研究会のメンバーを紹介させていただきました。恐らく貴重な存在なので、ぜひ研究会にも来ていただけるといいなあと思います。