lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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ビレン 色彩学の謎を解く―人類の福祉向上のための色彩心理学と色彩療法(オーラ写真?)

ビレン 色彩学の謎を解く―人類の福祉向上のための色彩心理学と色彩療法

ビレン 色彩学の謎を解く―人類の福祉向上のための色彩心理学と色彩療法

そこ(lionus注:古代芸術)に遺された古代人の色彩感覚はなんと素晴らしいことだろう。しかし,われわれと同じようにあらゆる芸術様式―建築,絵画,装飾,彫刻,染織,陶芸において魅力的な配色を鑑賞すべく,自分自身の美意識から発想したのではないのかという仮説は,1つの憶測であり誤解である。

実質上,ルネッサンスにいたるまで,人々の心は象徴主義,神秘性,魔法といった迷信類から離れられなかった。色彩を用いる諸行為は,呪術師や哲学者や司祭などの手で人々に伝授されてきた―個人が自分の想像上の自由な幻想や空想を描いたりすることは決してできなかった。たとえば,化粧法は種族の識別のために顔を塗ったのであり,宝飾品は深い目的や意味をこめた護符として造形されたものであった。

つまりいかなる偶然の気まぐれや幻想の結果塗られた配色ではなく,普遍的に確立されたシステムにもとづく配色なのだ。

五行・易における色なんかはこの例でしょうね。
色の歴史や生理的・物理的背景(色はどういう仕組みで見えるのか)から,色彩心理学まで幅広く色について論じた力作。
でも,「キリルアン写真」なるもので「オーラ」を写真に撮ることができるというのは怪し過ぎる(笑