lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

情報化社会の統計学―パソコンによるアプローチ(「はまぞう」で出ないのが残念。)

情報化社会の統計学―パソコンによるアプローチ

情報化社会の統計学―パソコンによるアプローチ

「情報化社会」と銘打っていますが,経済学を中心とした社会科学系の統計データの使い方について解説されている本です。言い換えれば,この分野ではこれこれこういう統計があり,こんな特徴があり,あんなことが分かります,というような書き方です。

日本の農業統計は量の面でも質の面でも最大の統計である。日本の統計を一覧している「日本統計総覧」および「統計基準年報」(1995年版)によれば,農業関係の統計は,統計数で全体の1割強(指定統計13%,承認統計19%)を占めている。(中略)
また,組織規模でみると(中略)職員数は本省・地方の総計で約6,300人であり,全分野の統計職員の3分の2を擁することになる。これが,産業の中心が農業であり人口の8割が農家に属していた戦前はともかく,農林漁業就業者割合が9.4%(1996年),生産額でGDPのわずか1.9%(1994年)の産業となった現在の数字である。

本筋とはあまり関係ない記述ですが,数値のみで考えるならばいかに大きな無駄かと思います。
ところで,何でこの本を読んでみたのかというと,装丁(地元の公立図書館だったので,表紙カバー付きで配架されていた)が何となく雰囲気があったからです。
本を開いてみると,「装幀 石川九楊」とありました。おお。
(物知らずのlionusでも名前を聞いたことのあるほど)有名な書家の先生ですが,本の装丁のお仕事をよくなさっておられるのか,それとも,この本の著者の先生との個人的なつながりから装丁を引き受けられたのか,ちょっと興味があります。